「ぐ、うぅ…げぇ…ごふっ」
咳込みがいくらかましになって、肩で息をしているシャマンをナブーは再び押し倒した。
「っ!!!」
シャマンの脚を拡げて、その間に自身の身体を割り入れてくる。
ナブーの身体は先ほどよりもひどく汗ばんでいて、シャマンの肌と触れ合うとぺたりとした感覚が気持ち悪かった。
ナブーは何やらシャマンの脚の間で一瞬何かを取り出して自身の魔羅に塗った。
手に持ったボトルらしきものを乱暴に投げ捨てて、ぐいぐいとさらに密着してくる。
「さてさて、ここからが陰間の仕事の中でも最重要項目だぞ」
完全にシャマンを組み伏せているナブーは、ハァハァと息を荒げて笑った。
「舐めあいっこしたとこが、くっつきますよォ〜」
「!?」
シャマンの菊門にナブーの魔羅の先が当たる。
「な…何す…」
「アナルセックス、するんだよ」
そう言って、ナブーの魔羅の先がぐいっとシャマンの菊門に押し入った。
「……!!!!!」
「はいはい、痛いでちゅね〜」
猛烈な痛みに声も出ないシャマンに、赤ちゃん言葉でふざけながらもナブーはどんどんと魔羅を進める。
「っ、〜〜〜〜〜!!!!!」
「…思った通りだ、お前の綺麗な顔が苦痛で歪むの…たまんねェわ」
感嘆したようにうっとりと吐息交じりでナブーは言った。
めりめり、とあの大きな魔羅が自分の中に無理矢理分け入ってくる。
経験したことのない最大の痛みに、シャマンは気を失いそうだった。
カリの少し下の部分までがなんとか入った状態で、ナブーは困ったように呟いた。
「ローションつけたっつってもオレのだけだし、ベロが届くまでで奥までほぐしてないもんな。なかなか入らねェ。でも抜くのはもうオレが我慢できねェから…」
そして、さっき放り出したボトルを再び手に持って、中身をまだ菊門に入っていないサオの部分に大量に垂らした。
その時一緒にシャマンの菊門周辺と、ペニスや睾丸にもローションをつけ、まぶす。
「これで少しは入りやすくなるか」
ひとりごちて再度挿入を試みるナブーの魔羅に、シャマンは叫んだ。
「いっ…痛い、痛いっ…!!!」
「あんまり興奮させないでくれよ、これ以上ちんぽがでっかくなったら本気で入らねェんだから」
閉ざされた菊門にどうにか全容を収めようと、力任せにナブーは挿入する。
「あっ…ひっ…いた…あぁっ」
「…んー。全部は無理そうだな」
ナブーはどうにか半分ほど収まった状態で、これ以上の挿入はあきらめたらしい。
そして黙ったまま、魔羅の出し入れを始めた。
「っっ!!??」
ナブーにされるがまま、ともに揺れるシャマンはこの行為に目を白黒させた。
自分にのしかかり菊門を凌辱する男は、息を荒げてこの出し入れの運動に夢中のようだ。
挿れられた時もさることながら、あんな魔羅でこすられて菊門に激烈な痛みが生じる。
「っ、や…やめろっ!!」
「やめてたまるか、こっからが愉しいところなんだから。ほれ挿れてー、抜いてー」
「!!」
声に合わせて魔羅をシャマンへ一度大きく挿入し、続いて出す。
「挿れてー、抜いてー。ズーン、ズルー、ズーン、ズルー」
「っっ…!!!」
わざと大きな動きで挿入を声に出して行い、屈辱に顔を歪めるシャマンをナブーは見つめている。
ナブーは少年の心身が痛むのを心から愉しんでいた。
やめろと言ったところで、こいつが言うことを聞くわけなどないとわかっていた。
なのに、思わず挑発するようなことを口走ってしまった。
シャマンは自分の無力さ、間抜けさを呪った。
下衆な男にまるでおもちゃみたいに弄ばれて、自尊心がとことんまで傷ついてしまい、シャマンは我慢ができなくなってしゃくり上げた。
「っ、…ひっ…うぅ…〜〜〜、うっく…ひく、ううっ」
「っあ〜、むちゃくちゃ気持ちいいわー。やっぱお初のガキが無理矢理犯されて泣くの最高だな」
加虐性愛の傾向が大いにあるナブーは、組み敷いている少年がたまらなく愛しくなって、その口唇に口づけをする。
「っ、!!」
「ひひ…はぁ、はぁ…」
シャマンの口の中をまたその舌で凌辱しながら、先ほどローションにまみれさせた子どものペニスに手を伸ばす。
「っっ」
痛みと恐怖で完全に縮こまってしまったそこを巧みに攻めて、芽吹かせた。
「んっは、あぁっ」
満足そうに笑って、声を上げるシャマンを揺すった。
中村は静かにこのふたりのセックスを見ていた。
背中を丸めてピストンの動きを小刻みにするナブーのこのさまは、少年愛者独特の執着心と偏執性が顕れていた。
シャマンが嫌がれば嫌がるほどナブーは悦んで昂ぶりが激しくなり、また愛しさが増すようだった。
これは陰間茶屋『中村屋』を構成する上で重要な要素になると、中村は目を細めた。
魔羅の出し入れが急激に速くなった。耐えきれなくなって、シャマンは喘いだ。
「ぁっ、いたっ…あぁ!!」
「おおぉー、もうイクぜ、イクぜ、イクぜ」
切羽詰まったような切な気な声を出して、ナブーが連呼する。
もうシャマンはその速い腰の動きについていくのがやっとで、目を瞑ったまま我慢するしかなかった。
「あーッあぁ、出る、出る出る…あッッ」
ナブーは歯を食いしばるようにして一度大きくシャマンに腰を打ちつけると、幼い菊門からペニスを抜いた。
そしてそのペニスを数回しごいて、シャマンの白い腹に精液を吐き出した。
「―――っ、っ、あぁ、はぁ、ああ…」
「……」
数秒間、小さく痙攣したかのように身を震わせて射精するナブーを、下からぼんやりと見ていた。
何かがナブーの魔羅の先から出て、腹部にかかった。
尿かと思ったが、出されたものからも、出すナブーの様子からもそれではないようだった。
しかし、レイプされたシャマンはもうものを考えるのが億劫で、なんであろうとどうでもよかった。
犯されて放心しているシャマンを見下ろして、快楽の波が引いていくナブーは中村を見た。
「こいつァえらく上玉だ。もちっと慣れが必要だが、菊門の具合もすこぶるいいし、何よりオレ好みの反応をしてくれる」
「満足してくれたか」
「ああ、大満足も大満足だ。菊門の拡張がてら、これからもぜひお相手願いたいね」
「それはそれは…シャマン喜べ、水揚げにして早くもナブーが顧客になってくれるとよ。売れっ子街道まっしぐらだな」
ナブーと中村は笑い合った。
シャマンはなんとなくその会話を聞いてはいたが、内容までは把握できていなかった。
「シャマン、陰間という仕事がこれでわかっただろう。今したことを店に来た客とする。簡単なことだ」
虚ろな視線で虚空を見ているシャマンに、中村は言い聞かせた。
「お前がどう思おうと、今後は私の保護の下、こういう仕事をしてもらう。お前は私にも客たちにも、何も考えず黙って従っていればいい」
『何も考えずに黙って従っていればいい』。
ぼんやりとするシャマンの頭に、その中村の最後の言葉が異様に大きく響いた。
すべてのことが終わって、中村とナブーは大広間から出ていった。
シャマンは姉の死の直後に強姦され、心身ともにぼろぼろだった。
身体はぬかるみにはまっているように重く、思うように動かなかった。
ナブーのペニスが出たり入ったりを繰り返した菊門は、痛いような気もするがそれを通り越したのか下半身の感覚がほとんどなかった。
べったりと腹に吐き出された白いものも、あの男の性欲の象徴のため反吐が出るほど気持ち悪かったが、それをどうにかしようという気も起こらなかった。
さんざんにレイプされて思考が回らない頭で、ナオコに渡された紙のことを思い出す。
ナオコは『決して中村やその手下たちにはこの紙の存在を知られてはならない』と言っていた。
幸い、今の間に中村たちに気づかれることはなかったようだ。
渡された紙を震える手で掴む。
その紙には表題として何か書かれていたが、小学生のシャマンにしたら難しい漢字や馴染みのない単語が羅列していて、何を意味するものなのか理解できなかった。
だが、これはナオコがああまで言うのだから、大変重要なものなのだろう。
紙の下部はナオコの血で汚れている。
シャマンの瞳にみるみるうちに涙が溢れてきた。
ぼやける視界で、ナオコと秀人に視線を移す。
秀人。
彼は人のいい男だった。ちょっと抜けていたが、そこがまたしっかり者のナオコといいコンビネーションがとれていて、憎めなかった。
そしてナオコ。
結婚して、幸せになるはずだった。
若い頃にうんと苦労した分、結婚後の生活は自身の幸せのためだけに生きてほしかったのに。
瀕死の重傷を負ったナオコは、もう助からないとわかった時に、自らの手でこの状況を打破することはできないと諦めた。
だが、こうなるきっかけを作った中村を決して許さず、シャマンにその報復を託したのだ。
清蔵と秀人、そしてナオコをがんじがらめにし、絶望の淵に追いやった中村。
シャマンは犯されたショックの中、この紙が有効になる二十歳を迎えるその日まで、中村に復讐する準備をすると決意した。
たった十歳の子どもが、この先にどんな辛いことがあっても耐えようと心に強く誓った瞬間だった。
愛するナオコのために。
ナオコが愛した秀人のために。
清蔵が愛した、紅屋のために。
(Comin Soon!!)