百華煉獄66
「アカベコも言ってただろう、とにかく数をこなすことだ。はい、次」
 そう言ってクロマサは研修室の畳にでん、と横になった。
 射精したばかりの魔羅を自身ですこすことこすり出している。


 間を置かずに第二ラウンドに臨むのは昨日のアカベコで知っていた。
 まだ呼吸が完全に平常時に戻ったわけではないが、大地はいそいそとクロマサの脇から魔羅を咥えようと前屈みになる。
「おおっと、違う違う」
 クロマサは大地の左足首を掴んだ。
 そのままぐいっと力任せに引っ張って、自身の下半身の方に顔が向くように胸に跨らせる。
「あっ」
「そのままオレに添うようにうつ伏せになれ。そんでケツをこっちに向けてオレのおちんぽ咥えろ」
「…っ」
「シックスナインっつってな、数字の6と9が向かい合わせになってるみてェにお互いにお口でぺろぺろし合うんだよ。ま、オレとお前の場合は
体格差があるからお前のおちんちんはちゅぱちゅぱしてやれねェけどな」
「……」

 クロマサはそう言いながら大地の目の前にある自分の魔羅を手淫しているので、どんどんと硬度が増し立派に勃起していた。
 それに大地が圧倒されていると、もう片方の手で大地の着物の裾を大きくまくり上げた。
「やっ…!」
 思わず身を起こして大地が拒絶すると、クロマサは現れた大地の丸い尻をぴしゃりと叩いた。
「これもアカベコに言われなかったか?いちいちイヤだのなんだの生意気言うヤツにゃ、オレたちいい評価できねェんだぜ?」
「…!!」
「さっきは素直に魔羅咥えてくれたのに、デビューする気ないのかねー大地くんは」
 クロマサは露わになった大地の尻を大きな手で揉みしだき始めた。 


 こいつら、最低だ。
 評価のことを出しさえすれば大地が言いなりになると思っている。
 レイプされかけたことも手伝って、大地は思わず断ったり抗ったりという拒絶の意思表示をしてしまう。
 だがどうやっても結局言うことを聞かなければならないことを思い知らされて、そのたびに打ちのめされる。
 クロマサもアカベコも、そんな大地の心理的な惑いまで性的満足感を得る対象として愉しんでいた。

「……」
 大地は自分の気持ちなどないかのように無視されるここの体質に、情けなくて悔しくて涙がにじんだ。
 こいつらの思うツボだと思うのに溢れる涙は止められなくて、気づかれては嫌だと大地は乱暴にそれを拭う。

「泣いてる暇があんならとっとと咥えてくれよ。こっちはいつでもOKなんだからヨ〜」
 大地の背中をどんっと押して、股間の方へ倒れ込ます。
 裏側を見せつけながら、そこはクロマサの言う通り大地の愛撫を待ちわびていた。

(くそ、くそ…!)
 泣いていることを目ざとく気づかれて、大地は憤りで胸をわななかせた。
 しかし尺八担当のクロマサに認めてもらうためには言う通りにしなければならない。
 大地は身をかがめて、再び魔羅を咥えた。


「ふっ…」
 またもやクロマサは自身を大地の口の中に招かれたことで、その快感に身を震わせた。
 裏筋が上あご側に来る逆からの尺八はただでさえ良くわからない大地を少し躊躇させたが、もう意地でカリのエラや竿などあらゆる方法で責めた。

「んっふ、ぅぅっ…ぉぶ、ん」 
 じゅる、ぢゅっ…かぽっ…という音の中に、苦しさからくる大地の小さな喘ぎが響く。
 クロマサは胸の上にある少年のみずみずしい白いふたつの丸みを眺めながら、上機嫌でそれを心地良く聞いていた。
「極楽、極楽。眺めもサイコー」
 悔しさから躍起になっている大地に気を良くして鼻歌を歌い出す。
 クロマサのすることなすことが癇に障って、早く終わらせたい大地は夢中でクロマサの魔羅に愛撫を繰り返した。


 時折興奮の末に短い吐息をつきながら、とうとうと言うべきかやはりと言うべきかクロマサが仕掛けてきた。 
「ぉ〜う…もう我慢の限界。ちょっとお邪魔しまーす」
 クロマサは魅力的にこちらに張り出されたお尻の、割れ目部分にあるふんどしのたて廻しに指を入れ込んだ。
 そして、そのまま指先に引っ掛けて少し横にずらす。
「っ!」
「ハァハァ、ピンクの名門…」
 露わにされる菊門に、大地は思わず口の中の魔羅をぽんっと飛び出させてうろたえた。

「ちょっ」
「やめるな、続けろ。何度も言わせるな」
「!!」
「見るだけヨ、見るだけ。ふっふ〜ん」
 クロマサはそう言いながらも、また鼻歌まじりに大地の菊門に指を伸ばす。
 可憐な蕾に添えられた下品な両手の親指は、そのまま左右に押し拡げられた。


「あぁっ、やっ…」
 有無を言わせぬそのいやらしい行為に、大地は思わず腰を引いてしまう。
 しかしクロマサはしっかり掴んだ残りの指で、逃げた少年の細い腰を良く見えるように引き寄せた。
「小泉様は初めて床入りする陰間の菊門をじっくり一時間は視姦…わかるか?とにかくココをいやらしーくねっとり見つめるんだ。今はその練習だ」
「っ…」
 またデビューの相手である小泉の名前を出してくる。
 三日前だって、小泉にかこつけて菊門を嫌にしつこく舐めてきたクロマサ。
 下衆な男だと知ってはいても、こう次から次にあらゆる手段でセクハラを行うこの男に大地は限界だった。


「舐ーめーろ。お前の名門見てるだけでオレまた興奮しちまってんだから」
「んっ」
 クロマサは腰を少し持ち上げて、自身の魔羅で大地の顔を叩いた。
 その拍子に亀頭が当たり、先走りの液が大地の頬についた。

「……」
 大地は改めてクロマサの魔羅を咥えた。
 決してこいつを悦ばしてやりたくはないが、とにかく射精させなければセクハラの連続に終わりはないのだ。
「んふぅ、おぶっ…んぐぅ」
 魔羅を右手でこすり上げながら頭を上下させて、クロマサの昂りを煽る。
 大地の胸元でクロマサの下腹部が強い快感でびく、びくっと痙攣するのがわかった。


「はぁ、はぁ…そうそう、一生懸命が一番だッ…おっ…可愛い金玉袋も揺れてるね〜」
 大地の動きの反動で揺れるころころとした陰嚢を、クロマサは下から掌ですくい上げて笑った。
「ホントはこうやって尺八してる時にお前もおっ勃ててりゃあ客も悦ぶと思うが…まだ早いか」
 おちんちんが勃起していないことにそうひとりごちて、クロマサは右の人差し指を舐めた。
 そして再び大地の菊門をぐにっと強めに割り開いて、そのまま舐めた指を剥き出しになった菊門にぴとっとくっつけた。

「っ!」
 見るだけ、と言ったのに。
 このまま指を挿れてくるのではないかと大地はハッとなった。
「そのまま続けてろー。もうオレイキそうなんだから」
 驚いてまた魔羅を口から離しそうになった大地を牽制しながら、クロマサは人差し指の腹で菊門をくにくにとくすぐる。
「んんぅっ」
「オレが出した精液しっかり飲めよ。吐くとすぐこの指挿れるからな」
「っっ!!!」


 大地はまだ口の中で出されたものを飲み込む勇気と技術を持っていなかった。
 なので心の準備ができておらず、いきなりの交換条件に追いつめられた。
「あー…あー、ッ気持ちイイー…」
 クロマサは近づく絶頂のせいか、大地の菊門にあてがった人差し指に力を込めている。
 何かの拍子にぐいっと突っ込んできそうで大地は気が気ではなかった。

 しかし、尺八を勝手に止めるとそれを口実に菊門にいたずらをしてきそうなので、戸惑いつつも口淫を続けるしかなかった。
「おぉぉ、っあぁー、ぁ…」
 大地の視界にあるクロマサの陰嚢が、くくっ…と少し上に上がる兆しが見られた。
 この男の射精が近いことを意味していた。 


「い、イクぞっ…オレの指ちんぽに犯されたくなきゃあ…、ちゃんと飲めよ!」
「んぷ、ぶッ」
 大地は先ほどのように喉の奥に魔羅を入れられないよう用心した。
 どうなるかわからないが、下衆な表現をして脅してくるこの男の思うようにだけはしたくなかった。

「あああ、ああーああ大地ィ…イグッ!!!」
 クロマサはだらしなくそう言って、大地の口内に収まった魔羅から思い切り白濁を放った。
「ううぐぅッ!!!」 
 気をつけていたので、始めとは違い舌で精液の大半を受け止められた。
 勢いからくる苦しさはだいぶんましだが、その分飛び出した拍子に舌にまとわりつくクロマサの精液に対する生理的嫌悪感がふくれ上がる。


「…ッ、ああ、はぁああ…」
 腰を持ち上げて残りの精子を全部大地の口の中に放つクロマサの右手人差し指は、いまだしっかりと大地の菊門に触れていた。
「ふぅ…あーめっちゃ気持ち良かったァ〜…。おい、吐いてねェだろうな」
「……」
 射精のすべてが終わってから、ゆっくりと魔羅から口を離す大地のお尻に向かってクロマサが確認してくる。
 大地は口の中にある精液のせいで話すことができず、頭を縦に揺らせて返事をした。