スリーパーズ50
大地は膝で立ち、シャマンのペニスを後ろ手で支える。
その先端をアナルにあてがう。ぬる、とした感触と、目で見るよりも数倍大きく感じるペニスに、大地は思わず声を上げた。
「ふっ…」
そのままゆっくりと腰を落として、頭を飲みこもうとする。だが、大地のアナルが小さいため上手く入らない。
また、ローションの作用が働き過ぎて、触れあった部分が滑り、シャマンのペニスがぬるん、ぷるんと大地の双丘の間や睾丸の裏を彷徨う。それがペニスへの刺激となり、シャマンは息を荒げた。
「ぁ…はぁ…!」
「ぅぅんっ、…っ!」
上手く挿入できず悪戦苦闘している大地を見て、シャマンはおもむろに手を伸ばした。
「っ!」
その手は大地の小さなお尻を両脇から包み、割り拡げる。自然とアナルが露出され、さらに少し拡張された。
「……」
大地は前からと、さらに後ろ手とでシャマンのペニスをしっかり支えた。シャマンによって拡げられたアナルにそれを再度あてがい、慎重に体重をかけた。
「あっ…!」
「っ…!」
ぐぬ…とシャマンの亀頭が大地のアナルに埋没していく。
1ヶ月ぶりのシャマンのペニス。当然大地を強い痛みが襲った。
だが、この行為は自ら望んだもの。今度はオレがシャマンを脅かしてやるんだ…!
そう思いながら、大地は苦しそうな表情ながらもゆっくりとペニスを飲みこんでいく。
「ひっ、い…あっ…はぁ…」
大地が自分のペニスを自ら受け入れていく姿を、シャマンは下からじっくりと堪能した。大地のお尻を拡げるために伸ばした手はそのままだったが、ただ添えているだけでなんの力も入れていなかった。
大地はシャマンのペニスを半分ほど挿入したところで止まった。
息も絶え絶えで眉根は寄せられ、涙を浮かべている。かなり苦しかった。
いつもより大きくなっているシャマンのモノを、大地だけの力ですべて収めるのは限界だった。アナルの入り口は無理矢理拡げられて焼けつくように痛むし、中もいっぱいだった。
だが、大地のペニスはピンと張りつめて上を向いており、その先から透明な雫が一筋、流れ落ちている。それは苦しさの裏側にある大地の快感を、雄弁に物語っていた。
もう少し挿入すると、アナルの中の一番敏感なところ…先程シャマンが指で触れそうで触れなかった部分に届きそうだ。
大地はハァ、と大きく一息つくと、残りを再び飲みこもうと、グッと力を入れた。
「ううんっ…くっふ…ん〜…っ」
大地の瞳から涙がこぼれた。痛み、苦しみ、快楽…さまざまな感覚の中に、シャマンを征服したいという強い思い。
オレが、シャマンに影響を与えたい。オレ自身の行動で、シャマンを脅かしたい。
そんな気持ちが増幅する一方なのに、ペニスが上手く入らない。意地やプライドも手伝って、大地は必死だった。
シャマンは、懸命に腰をくねらせ挿入しようとしている大地を黙って見ていた。
前は挿入されることがイヤで泣き叫んでいたのに、今では挿入できないことで悔しげな声を上げ、その上切なげな吐息を漏らしている。以前との違いに、シャマンはさらなる欲情を覚えた。
挿入に手を貸してやろうと、シャマンは大地の腰に添わせていただけの自らの手に力を込めた。
今まで自分のペースで行っていたのに、シャマンが腰を沈めようとするため、挿入のスピードが速まる。大地は思わず声を上げた。
「はっ…」
ず…ぷぷ…とシャマンのペニスがその全容を収めようと入ってくる。このままでは、アナルの一番敏感なところに、ダイレクトに当たりそうだ。
「あっ、あ…ダメっ…ダメェっ」
大地は肩をすくめ、首を振って拒絶する。その手は、腰に置かれたシャマンの手にかけ、どうにかその行為を制止しようとしているらしかったが、何の効力もなかった。それどころか、その様子は
シャマンをさらに興奮させるだけだった。
「ダメっ…やだ、やっ…!」
大地はビクン、と身体を大きくわななかせた。あの部分にいよいよシャマンのペニスが近づいてきたらしい。
自由が利く身体ならば、シャマンは自ら大地を激情のまま犯したかった。
大地から求めてこられるのも新鮮でいい、と思ってはいたが、こんな姿の大地を目の当たりにすれば、我慢も限界だった。
シャマンは、大地の腰を沈める腕に力を込めて、ペニスの未挿入部分を一気にアナルに突き立てた。
ズン、と大地の奥深くにペニスが届いた瞬間、アナルがきつく収縮し、大地は射精した。
「っ…あぁーっ…!!」
「くっ…!」
大地は口元に手をやり、背中をしならせた。挿入した途端、全体を締めつけられてシャマンは突然の快感に耐える。
大地の精液はシャマンの顔や胸に飛び散った。
「あぁ、はぁっ…はぁ…」
大地は俯いて肩で息をしている。苦しさと、それを上回る気持ちよさに戸惑っているようだ。
シャマンは自分のペニスを完全に飲みこまされた少年に語りかけた。
「入れただけでイクなんてな」
自分も大地に包まれ爆発寸前なのに、余裕のあるふりをして意地悪に続ける。
「このローションは、こないだみたいな成分は入ってないはずなんだが…」
ベッドに転がっているローションの容器を手に取り、わざわざ成分が記載されているか探す素振りをするシャマン。シャマンの言う『こないだ』とは、少年院の『送別会』でのことらしい。
あの時は媚薬成分を塗られ、焦らされて焦らされての挿入でその途端出してしまったのだが、今回は違う。
オレは、ただシャマンのペニスを入れられただけで…。
そう思うと大地はますます恥ずかしく、顔を赤らめた。シャマンはそれを見上げて口の端を上げて笑った。
ダメだ、オレがシャマンを思い通りにしたくてここへ来たのに、このままではシャマンのペースになってしまうじゃないか。
大地は気を取り直して、挿入されたペニスを出し入れするため、ゆっくりと腰を浮かせた。
「あぅんっ」
お互いの肌の間にあるローションが離れ、ずぱ…っという音が卑猥に響く。大地は痛みに堪えつつ、今度は腰を沈める。
「んひっ!」
「っは…」
シャマンのペニスは否応なく、大地のアナルの一番気持ちいいところに当たる。大地の中は自然に締めつけつつ痙攣し、シャマンをこの上なく刺激した。
再び大地が腰を浮かせようとした時、そこに添えられていたシャマンの手に力が入り、大地の動きを封じた。
「……?」
大地が戸惑っていると、シャマンはベッドに肘をついてゆっくり身を起こそうとしていた。刺された傷のせいでなかなか思うように起き上がれなかったが、どうにかバランスを取りながら座った。
「うあぅっ」
一方大地は、貫かれたまま体勢を変えられるので、中にあるシャマンのペニスの角度や埋まり具合が微妙に変わり、思わず声を上げた。
また、馬乗りの状態から座位になったことで重心のバランスが上手くとれず、後ろに倒れそうになる。
「おおっと」
すかさず大地の頭と背中を、シャマンは背後に回した腕で支える。その手に触れられたことだけで、大地はなぜか頭の芯がぼぅっとして、甘い声を漏らした。
「あ…はぁ…」
シャマンはそんな大地を、自身の胸元へ引き寄せ抱きしめた。
それによってシャマンのペニスが再び大地の中を蹂躙し、ビクリと身を震わせた。
「ぁっ…!」
口元に手をやり、とろりとした瞳で自分の胸元に寄り添う大地。シャマンはたまらなく愛しくなり、囁いた。
「大地…愛している」
そしてその顔を上向かせてくちづけた。
愛しい大地。
このことは誰にも言わない。
ナブーにも知られたくない。あいつの耳に入りでもしたら、おもしろがって勝手に乱入しかねない。
大地はオレのものだ。オレだけのものだ。
レロレロと自分の口唇や口内を貪るシャマンにされるがままになりながら、大地はしびれる頭でこんなことを思っていた。
(また『愛してる』って言われた…。じゃあ、オレは?オレはシャマンのこと、どう思ってるんだろう。まだよく分からないけど、1つ分かったことがある。オレ、悦んでる。シャマンとこんなことして…
ひどい男なのに、オレは悦んでシャマンとセックスしてる)
「ぁ…んん…は…」
「はぁ…はぁ…」
大地の腕は自然にシャマンの首筋へかけられ、より深いくちづけを無意識に求めている。吐息混じりの2人の声は、口内でぶつかり合って溶けていく。
大地はゆっくり腰をグラインドさせながら思った。
美恵やV−メイはもちろんだが、ラビにもこのことは言えないだろうな、と。いや、あのラビだからこそ言えないだろう。
少年院で自分を守るため、ナイフを持ち出し憎い男たちを殺そうとまでしたラビ。
そんな友達想いなラビを、そんな優しいラビを、今の自分は裏切っている。
ごめん。ごめんよラビ。
その瞬間、シャマンも腰を動かしだし、大地を揺さぶった。
「ああっ!」
「っ…ふっ…」
やんわりとしたグラインドから明確なピストンに変わり、大地は中を刺激されて声を高くする。シャマンも大地のアナルにさらに締めつけられて、声を漏らした。
大地のペニスは再び大きくなりだした。シャマンは目ざとくそれを見つけて、指をからませてくる。
「あ…は…」
大地はもう、何も考えたくなかった。ラビや美恵のことも、もう考えたくなかった。
大地は、シャマンとセックスすること以外の思考をすべて閉ざして、自分を包むとてつもない快楽に身をゆだねた。
−END−
後書きという名の言い訳
これでもかというほど長ーいお話を、ここまでお読みいただいてどうもありがとうございます。
そのくせ…え…これって悲しい終わり方なのでしょうか…。
原作では、主人公らが少年院を退所してから最大の山場を迎えるのですが、こちらはこのような感じで締めくくっちゃいました。
最後の終わらせ方を全然考えずに作品作りにとりかかり、『いずれ自然にキャラクターたちが動いてくれるだろう』と思ってできたのがコレでして…シャマンがオイシイとこ持ってった感じですね。
シャマンとナブーはもう超ド級サイテーヤロウです。ゲスい、ゲスすぎる。とくにナブーは、インテリなんてどこへやら…私のせいですね。ご、ごめんなさい。
大地はただただ可哀相なことに…ホントごめんよォ大地。大地の呪いが今めっちゃ怖いー(笑)
ラビの影が薄くてねぇ…;; もっと色々と生かしてやりたかったのだけど。反省。これ、続編はまったく考えずにいたんですが、もしかしてありかもなぁ、と全部書いた今思うので、その際は
ラビの出番をぐっと増やしたものにしたいです。
あまりにもシリアスで暗くて長ーくて、大地が可哀相な小説だったので、自分の心の均衡を保つためか『この小説のお芝居を演じたという設定の、グランキャラのNGシーン集』が脳内を駆け巡ると
いう珍現象が巻き起こりました。もちろんBGMはジャッキー・チェンの『プロジェクトA』の曲でキマリだぜ!←これ、考えるとめちゃくちゃおもしろかったです。
とにかく、やりたいことを全部つめ込みました。なので、書いてる間はとても楽しかったです!
