百華煉獄112
「よーしよーし、いい子いい子、良くできまーちた〜」
 ナブーは落ち込んでいる様子の大地を抱き寄せて、背中と尻を中心に再びまさぐり出した。
「あぁッ…んん、ハァ、んん」
 ナブーの手が素肌を上下するだけで、大地は切な気な声を上げる。
 自然に漏れ出してしまう声。
(やだよ、やだ…!シャマンさんに聞かれて嫌なのに、どうしてこんな声が出るんだよ…!)
 ナブーの愛撫で感じている自分の姿など、シャマンには絶対に知られたくないのに。
 しかしこうやって恥ずかしさと葛藤する大地を見れば見るほど、嗜虐的なナブーはもっと甘い声を上げさせようと行為に拍車がかかる。

「くっ…ふぅん、くん、あっ…ぅくっ…」
 背筋をつつつつ…と撫で上げるナブーの手つきに大地が戸惑っていると、ナブーが大地の耳元で囁いた。
「そんな可愛い声で恥ずかしそうにあんあん言われるとよ、オレのちんぽがこんな風になっちまったよ」
「……」
 大地は尻の間にナブーの魔羅が当たっていることに少し前から気づいていた。
 魔羅をここに当てて誇示されるのは、クロマサたちに何度もされたセクハラなので慣れっこだった。


 向かい合わせになり、胡坐をかいた自身に大地を座らせているナブーがごぞごぞとふんどしをほどいている。
「ほォれ」
 そう言って自身のペニスの前に躍り出てきた逸物を見て、大地は仰天した。
「!!!!!」
 それは、かなり醜悪な形をしていた。
 今まで見てきた男たちの魔羅とは大きさや太さが段違いで巨大である上、ところどころに何か小粒の玉状のような出っ張りがあってごつごつしている。

「っっ…!?」
 大地があまりの代物に驚愕して目を見開いたまま凝視していると、ナブーは野卑た瞳を上目遣いにして大地を見た。
「この丸いぶつぶつはな、真珠だ。オレの魔羅に埋められている。それぞれ意味がある位置に入ってるんだ。ガキのケツのイイところに当たるようにな…
こいつをハメられたらさっきとは比べ物にならんぐらい気持ちいいぞォ?」
 そう言ってナブーは大地の菊門にぼこぼこと凹凸している亀頭をあてがった。
「っっ!!!」
 脚や尻に当たっている時から、その感触と大きさに多少の違和感はあった。
 しかし、誰がこんなグロテスクな魔羅を想像できただろうか。


 シャマンは今の会話を聞いて前のめりになった。
 ナブーが魔羅に真珠を埋めたなど初耳だった。自分が子どもの頃はそんなもの入れていなかった。
 陰間になって多くの客に抱かれたシャマンだったが、ヤツはその誰よりも巨根だった。
 魔羅だけでもどれだけ苦しかったことか。なのに真珠を施したことでその苦痛は何倍にもなるはずだ。
 シャマンは大地が受ける痛みがいかほどか想像して、目をぎゅっと瞑り首を振った。


「ぁ…」
 シャマンの魔羅であれだけの痛みなのに、こんな化け物のようなナブーのモノなどとてもじゃないが受け入れることはできない。
 大地は強い恐怖心で思わずナブーから身を離した。
 それはナブーの想定内だったようで、余裕の笑みを浮かべて仁王立ちになった。
「おしゃぶり。してくれ」
 大地は目の前で天を仰ぐナブーの魔羅を改めて見て圧倒された。
 大地の顔の前に誇示することで興奮したのか、ますます膨らんでいる魔羅は竿の部分に血管を浮かび上がらせて怒張しきっている。

(こ…こんな大きいの、菊門どころか口の中だって入らないよ…!!)
 躊躇する大地に対し、ナブーは何も気遣うことなく黒髪を掴んで大地の口中に魔羅をねじ入れた。
「んぉっ…!!!」
 大きく開かされた口に、容赦なくこじ入れられた男根。
 何度も実技で練習した尺八だったのに、それと同じ行為なのかわからなくなるほどナブーの魔羅は凶悪だった。

「ぐっ、おっ…ぐぅぅ、うええっ」
 どうにか研修時のように舌や口唇を使って愛撫するのだが、とにかく大きさに翻弄されてうまくできない。
 口は最大に開けていなければならずあごが痛いし、苦しくて苦しくてうっすらと涙ぐんでしまう自覚があった。
「げひひぃ…苦しいか?苦しいだろ?」
 ナブーは見下ろして満足気に笑っている。
 こんな自分を見て興奮しているのだ。大地は涙がこぼれ落ちないように乱暴に拭った。


 シャマンは大地のくぐもった苦し気な声を聞いて、厳しい表情で俯いた。
 あの日。
 ナブーに犯されたあの日。
 あの時、今の大地と同じようなことをされた。
 大地の苦しみが自分と重なって、シャマンの喉元に苦いものがこみ上げた。

「おー、伊達に見習いやってたんじゃねェな。それなりにイイ仕事してくれるね大地」
 ナブーはしばらくして大地の髪を掴んだまま腰を前後にし始めたが、尺八練習で苦しさを回避する方法は心得ているのでどうにかそれを駆使して続けていた。
「んんふ、ごっ…げぇっ…」
「ちょっとスピードアップしますよ〜」
 そう言ってナブーは腰の動きを倍速にした。
「っっっ!!!」
 大地の口内の奥深くにナブーの亀頭が迫って、あまりの苦しさに目を見開いて首を振った。
「げええ!!!」
 ナブーの魔羅をふりほどき、俯いてえづいている大地を見てナブーは肩をすくめた。
「あららー、高度なこと求め過ぎたか」

「っ、ハァ、ハァ…んぇっ、ハァ、ハァ…」
 息を整えながら、反射的に出る涙がナブーに見つからぬよう拭う。
(ダメだ、泣くな…泣いたらシャマンさんの言うように、この男が興奮するだけだ…!!)
 しかし大地の懸命な想いはナブーにとっくにバレており、それすらも彼を愉しませた。


「ぐっふふ…」
 吐き気が治まるまでしばらく肩で息をしながら布団に俯いている大地を見下ろして、ナブーは喉で笑っている。
 少し落ち着いたら、とっさのこととはいえ客のナブーの要望に応えられなかったことを詫びなければと気づいた。
「も、申し訳ございません、ナブー様」
 大地はそう言いながら、ナブーの魔羅を再び咥えようと跪いたまま彼の足元に近づいた。
「尺八はもういい」
 ナブーは巨体を低くしながらそう言って、また胡坐をかく。
 大地を引き寄せて顔を近づけ、口づけをし始めた。


「…ぁっ…んっ…」
 ちゅっ、ちゅば、ぴちゅっ…という大きな音をわざと立てながら、大地の口唇や口内を凌辱する。
 口づけでできるだけ大地を翻弄させようと、ナブーの首は角度を変えて激しさを煽った。
 彼の狙いは的中した。
 酒の効果もまだまだあるらしく、これだけで官能を刺激され大地は頭がボーッとした。

「はぁ、あっ…!ふぅぅ…んんっ」
 キスだけで淫らな声を上げている大地をくみしやすく感じながら、大地を左手で引き寄せて膝立ちにする。
 ぎゅっと抱きしめて少年の萎えたペニスに自身の勃起した魔羅を擦りつけた。
「っっ」
「…ひひひ…」
 幼く柔らかいおちんちんが、ぷるん、ぷるんと大人のそれもまがまがしい怒張した魔羅に挑発されている。
 大地がどうしていいかわからずに困惑しているのもまた、ナブーの満足度を高めた。