夢中でアナルを舐めまわしていた小泉が中村たちに気づき、顔を上げた。
「中村殿が少し遅かったので興が乗ってしまったよ」
「これはこれは…いい雰囲気のところにお邪魔をしてしまい、大変失礼いたしました」
少年の突き出された尻の前で、口元をだらしなく唾液で濡らして微笑む小泉に、中村は丁重に頭を下げた。
「わたくしどもはおとなしくこちらで見学させていただきますので、ささ、続きをどうぞ」
そう言われて再び拓海の尻の谷間に顔をうずめようとした小泉は、中村の隣にいる大地に視線を移した。
「…新人の子…名前は?」
大地は自分に話題が移って身を強張らせた。中村が答える。
「大地と申します」
小泉はそれを聞いて、でっぷりとぜい肉のついた身体をゆっくりと起こした。
「…大地か。ちょっと、こっちに来てもらいたい」
大地はびくりとして肩をすくませた。
シャマンもハッとして小泉を見た。
小泉は敷かれた布団の上で胡坐をかく。拓海はその背後にそっと回った。
「見学ならそんな遠くからじゃなく、もっと傍に来て見ればいい」
大地に笑い掛ける小泉に、拓海は甘えるように後ろから膝立ちで抱きついている。
先ほど布団の上で繰り広げられていたあの行為を間近で見ろと言うのか。
困惑して大地は泣きそうだった。
中村はチラ、と隣の大地に視線を移し、それから小泉に向きなおって微笑んだ。
「小泉様がお望みとあらば…大地、お傍に失礼させてもらいなさい」
「…!」
大地は狼狽して中村を見上げた。
どうにか回避したくて必死にすがる想いだったのだが、中村は無情にも冷酷な視線を返して告げた。
「行きなさい」
「!」
またあの目だ。
逆らうなど許されない、中村の非情さが表れたあの目。
大地は心がひやりと冷えていくのを感じた。
「どうした、早くおいで」
小泉が布団の上から手招きするが、大地は怖ろしくて動けないでいた。
中村は焦れて、大地の帯を掴んで強引に前に進んだ。ともに客座敷に上がり小泉の傍まで来る。
「申し訳ございません、本当に先ほどうちへ来たばかりの入りたてほやほやで何も知らなくて。こういったまぐあい自体を見るのが
初めてなものらしく、何やら無礼があってはなりませんゆえ、失礼ながらわたくしもお傍にご一緒させていただきます」
「ハハ、この子、何も知らないのか。そうか、それなら無理もない」
中村の言葉を受けて、ほぼ丸に近くなったフォルムの肩を揺らせて小泉は笑った。
その拍子に、背後から首筋に抱きついている拓海も小さく揺れている。
その美しい顔にも笑みが浮かんでいた。
「手慣れた子もいいが、ウブな子もまたそそるなァ…しかも、おぉ…とても可愛い子じゃないか…」
小泉はそう言いながら、近くに来た大地を上から下までじっとりとした視線で眺める。
その目は、ここへ来る道で自分を強引に逢引旅館へ連れていこうとした中年男、また先ほどの身体検査の時にいた大柄な男たちと同じものだった。
口は半開きでニヤニヤと笑っている。
大地はゾッとした。
「なんにも知らないんなら…ちょっと見学がてらいろいろと教えてあげよう。いいだろう?中村殿」
小泉の問いかけに中村は少し驚いたような顔をしてみせた。
「それは構いませんが、小泉様…拓海と大地、ふたりとなると…」
「ああ、ああ、わかっている。金はその分余分に払うよ」
「いやはや、余計なことを差し出がましく申し上げまして…ありがとうございます」
「中村殿もしっかりしておられる」
「それはお褒めの言葉とおとりしてよろしいのですか?」
小泉と中村は笑いながら言葉を交わしているが、不安と恐怖で固まる大地にはほとんど聞こえていなかった。
シャマンはひとり、その部屋の外で歯噛みしていた。
両ももにそれぞれ乗せた拳は固く握りしめられ、小さく震えている。
「さァ大地。さっそくお勉強だ。まぐわいを見たことがないのはわかったが…これはどうだ?見たことあるか?」
そう言って小泉は、自身の着崩れた着物の裾から取り出したモノを得意気に見せた。
大地は誘導されて自然にそこを見たが、次の瞬間驚愕のあまり言葉を失った。
「!!!!!」
小泉の股間から出てきたモノは、大きく反り返った魔羅だった。
そこは赤黒くくすんでおり、頭の部分が大きく膨らんでいた。
そして、小さくビクン、ビクン、と脈打っている。
(これ…ちんちんだよな…なんでこんな形になってんだ…?)
大地は驚きのあまりそこから視線をそらすことができず、見入ってしまった。
その様子に満足げな笑顔を見せて、小泉が尋ねてきた。
「ふふ…魔羅自体はそりゃあ、大地にもついてるから見たことはあるだろうが…大人の、こういう状態になってるのを見るのは初めてか?」
そして、重そうな身体を前のめりにして大地の左手を掴み、自身の魔羅に誘導した。
「ほら、見るだけじゃなくて触ってみなさい。かた〜くなってるんだぞ?」
「っ…!!」
あまりのことに大地は手を引っ込めようとしたが、小泉の力は強かった。
それに、背後から中村が大地を抱えて後ろに逃げられないようにしていたため抗うことができない。
「ほらほら、大地の可愛いお手々で触ってほしいと私の息子がうるさくなってきた。ほれ、掴んでみなさい」
小泉のその部分は、大地に見られ、そして触れられることへの期待と悦びでますます大きくなっていく。
それに、先っぽから何やら透明な液体がにじみ出てきて、じんわりと濡れ始めていた。
こいつらはなんてことを言い出すのだろう。
何故人の性器に触らねばならないのだろう。
なんのために?
こんなことが仕事なの?
大地の頭の中は疑問でいっぱいだった。
そして第一に、他人の魔羅に触れることそのものが、生理的に気持ち悪くて仕方がなかった。
その上そこは見たこともない形状になっている。
小泉がやたらギラギラした目になり興奮していることも、理由がわからず怖ろしかった。
そんな大地の気持ちなど意に介さず、手首を掴んでいる小泉はもう一方の手で勃起した魔羅を擦りつけてくるようにして、無理矢理握らせた。
「あっ…!」
「うぅっ」
大地の小さな叫びと小泉の吐息を含んだ声が重なる。
「っ、どうだ大地、私の魔羅は。カチカチだろう?」
「っ…」
小さな手の上から、脂肪がついて分厚くなった自分の手を重ね、力ずくでしっかりと握り込ませる。
手の中にある魔羅の感触が気持ち悪くて大地はどうにか掴む力を弱めようとするが、小泉はそれを許さずに覆いかぶせた手に力を込めた。
「さァ、大地の手でもっと気持ち良くしておくれ…」
小泉はそう言って、自分の手を前後させた。
するとその下にある大地の手が自然に魔羅をこすることになる。
「……!!」
「おぉっ…いいぞ、いい。大地の手は柔らかくて気持ちいいぞっ」
小泉は顔を赤らめて呼吸を荒くしている。
「あ…ひぐっ」
大地はいやでいやでたまらないのに、どうすることもできずにされるがままになってしまった。
小泉の魔羅の先端から溢れている透明の液体が棒の部分にまで垂れてきて、大地の手の内にまみれていく。
その感触も含めただただ不快だった。
涙が自然に瞳に溢れて、泣きべそをかいた。
「うぅ、くひっ…ぅっく」
「どうしたどうした、泣いてしまうほど怖ろしいか。そんなことではこれから先どうするんだ、情けない」
増していく快感に浮かされながら、小泉は軽くからかうように笑っている。
中村は逃げ腰の大地をがっちりと阻止して前に押し出しながら、耳元で囁いた。
「かの小泉様が直々にお前にお教え下さっているんだ。こんなに光栄なことはない。しっかりと勉強させていただきなさい」
その脅しのような文句は、大地の心を追いつめた。
(いやだ、いやだ、気持ち悪い…!!これっていったいどんな仕事なの?これからどうしろって言うんだ、なんで父さんはこんなところに
オレを寄越したんだよ…!)
大地はもう頭が混乱して、思考が乱れ始めていた。
しかも気分が悪く吐き気をもよおしてもいた。
中村の言葉は小泉の耳にも届くよう、わざと大きめに言っている。
それに身体と同じようにボリュームのある小泉の耳たぶを首にまとわりついている拓海が舐めてきたので、この淫猥な初老の男は両手に花と
ご満悦の表情で鼻の下を伸ばした。
「…くっ…さっきより硬くなってきたのがわかるか…っ…?」
小泉は恍惚とした表情で大地を見下ろし、手の速度を速める。
大地は小泉に促される手の動きの反動で身体が大きく揺れていた。
「っ…ふぇ…〜〜〜ッ」
もうこれ以上触れたくなかった。
混乱が激しくなり、我慢の限界だった。小泉はその反応を見てギラリと瞳を輝かせた。
そして魔羅を握らせていた大地の手を取って、ぐいっと布団に引っ張り込んだ。