赤黒いペニスが大地の愛撫によって重そうな頭をもたげている。
黒々とした陰毛が腹や鼠蹊部、また陰嚢や太ももにも及んでいて、そこからにょっきり飛び出る魔羅がつやつやとした光を放っていた。
改めて間近で見ると醜悪としか言いようのない逸物。
大地は口を引き結んでぐびりと唾を飲み込んだ。
下劣な男のコレを、口に含んで射精に導かなければならない。
やっと自分の身体に触れられることから解放されたがこれからが問題だった。
「初めてだからなァ、まァこんな風にやると客が喜ぶってパターンをひと通りやってもらおうか」
正面に座る大地に向かい、アカベコは身をかがめて少年の両手を取った。
そのまま自身の魔羅を両手で包み込むように触れさせる。
「どんな男でも、自分の魔羅をありがたがって触ってくれる陰間は可愛いもんだ。大事そうにこうして包み込めば、客のプライドを刺激して満足度が
上がる。顧客がつきやすくなるぞ」
しっかりと両方の手で竿の部分を持たせ、上から大地を見つめる。
「おい、オレを見上げろ」
戸惑う大地の視線を自身の魔羅から顔へと誘導する。
「今こんな感じでオレを見てるだろ?尺八の前にはいったんこうやって客を見上げるんだ。客は今からこのガキがお口でご奉仕してくれるんだと、
期待感で余計興奮する。余裕があれば微笑むか、もの欲しそうに『早く咥えたいです』みたいな顔をすれば完璧だな」
「……」
そう言われても両手の中にある魔羅に嫌悪感と不快感しかない大地は、笑うことも早く咥えたそうな仕草もできそうになかった。
どうしていいか困っているとアカベコは眉を八の字にしてため息をついた。
「まァまァ、昨日まで挿入されて過呼吸起こしてた身にはハードルが高い注文だったな。ご主人様が言ってたように、お前は逆にそんな感じ…
困った顔とかいやいやさせられてるって態度の方で売り出した方がいいかもしれん」
ぴたぴた、と大地の頬を優しく打って値踏みする。
その行為に大地は眉をひそめて嫌そうな表情をしてしまったが、アカベコは逆に満足そうな顔を見せた。
そしておもむろに前かがみになる。
自身の魔羅を両手で握り、向かい合っている大地の顔を覗き込んだ。
「まま、それはともかく…今日はしっかり尺八のいろはを覚えてもらわんとな」
「っっ…」
「口に入れることに抵抗あるだろうから、まずは舌で舐めることからだ。教科書に載ってる『男性器の各部名称』はちゃんと覚えてるかァ?」
握らせていた大地の手をいったんほどいて、怒張した魔羅を誇示する。
「そらそら、『竿』はどこだ。舐めてみろ」
「っ!」
やはり魔羅を舐めるなど、大地にとっては大きな抵抗感と嫌悪感を抱く気持ち悪い行為に他ならない。
躊躇しているとアカベコは意地悪気な口調で言った。
「覚えてないのか?減点だな、評価を下げておこう」
「っ」
デビューが遠のいてしまうことが一番怖ろしい大地にとって、この言葉がどれほどの効力があるのかをアカベコは知っている。
大地が少しでもためらえば、幾度でも評価をちらつかせて応じてもらえばいい。
その姿勢に大地はムカッ腹が立ったが、この男に評価してもらわなければ先へ進めないことは事実だ。
屈辱的な気持ちで大地はおずおずとアカベコの魔羅に顔を近づけた。
「ぎひひ…」
魔羅にここまで顔を寄せたことがない大地は、竿部分に血管が浮き上がっているのを間近で見て午前に見た教習動画を思い出す。
びくん、びくん、と自然に小さく上下するアカベコの魔羅。
その興奮度合いが窺い知れて不快感が倍増した。
しかし大地は意を決して、竿の中央あたりにそっと舌を這わせた。
「…ひっひ、正解ー」
頭上でアカベコの悦ぶ声が聞こえる。
大地はぎゅっと目を瞑った。舐めている自分を見下ろすアカベコを視界に入れたくなかった。
舐めるとは言っても積極的に舌を動かすことはすぐにできない。ゆっくりとそのあたりを舐めた。
意外にもアカベコの魔羅は無味無臭だった。
大地が少しホッとしていると得意気な声が上から響く。
「見習いどもに余計なトラウマを植えつけちゃならないってことで、尺八未経験のガキの実技研修前にはちゃんとシャワーで念入りに洗ってるんだ。
しかし実際の客は即尺っつって、洗わず舐めさせるのを好むのもいる。だから何度かは洗ってない魔羅を舐める実技もしてもらうぞ」
(洗ってない魔羅って…)
大地がその話を聞いてさらなる胸のむかつきを覚えていると、アカベコは教育係らしく大地に教えた。
「竿はな、ぺろぺろ舐められてるぐらいじゃ正直そこまで強烈な快感は得られん。だから手淫…手を使ってしごいてくれた方が男は気持ちいいし、その方が早くイク」
大地の顔をいったん自身の魔羅から退けて、片手で握るよう促す。
小泉やクロマサで、手淫の経験はある。
そういやあいつらの逸物はこすればこするほど大地の手の中で硬度を増していた。
「今はこの手はそのままにしておいていい。さて、じゃあお次は…睾丸はどこだ?」
ニヤリと笑うアカベコの顔は先ほどと同じように舌でその位置を示せと指示している。
大地はげんなりした。
今までアカベコの魔羅と対峙していた時から気づいてはいたが、そこには黒々とした陰毛が魔羅上から脚のつけ根をつたい、連続するように生えている。
ぼうぼうと言うほどではないが、まばらな長い毛の間にしわのある袋が見えるのがまた気持ち悪かった。
しかし大地は言われるがまま頭を低くしてアカベコの陰嚢を舐めた。
ふわりと縮れた毛が大地の口元や鼻の下に当たるので、不快なこそばゆさが生じる。
「はい、今回も正解〜」
陰毛に埋もれるように顔を伏せている大地を見て、またしてもニヤけた声を出すアカベコ。
「お前、キャン玉を机の端とかにぶつけると痛くて死にそうになったって経験あんだろ?それもあって男の防御本能っつうのか、ここはがっつり触ると
嫌がるヤツが多い。だから相手の反応見ながら、嫌がるそぶりがなきゃこんな感じでソフトに舐めてやれ」
口の中に固い陰毛の感触があるのがまた気色悪い。それも手伝って、最初に舌を当てた場所から一センチ四方ほどしか舐めていなかった。
「…しかし大地よォ、ソフトもソフト、過剰なぐらいのソフトぺろぺろだな」
戸惑いながらの舌遣い。でもそれが今の大地の精いっぱいだった。
「竿とキャン玉は舐められて即射精ってことでもねーし、まーそれでいいわ。じゃァ…カリはどーこだ」
今度のアカベコの問いと同時に、大地はやっと不快な陰毛の感触から解かれた。
そのかわり大きな手で顔を上向けられ、その頬にぺたぺたと魔羅を当てられる。
順々に大地に舐められたことで最初よりも漲っているアカベコの男根は、次に提示した場所に少年が舌を伸ばすことの期待でさらに昂っている。
それが握らされている掌から伝わってきてさらなる嫌悪に包まれた。
カリと言われる部分に視線を移す。
アカベコのカリは大地が今まで見たどの魔羅よりもその部分が張り出していて目立っていた。
大地は魔羅の側面側、段差が大きくついているあたりに舌を伸ばす。
「ぅっ」
大地の舌がその部分に当たっただけでアカベコの腹筋が震えた。
ここは竿や陰嚢とは比べ物にならない快感を得る。
思い出したくはないが、クロマサに舐められた時の大地もそうだった。
包皮が降りて重なっている近くのエラを沿うようにちろ…と舐めると、アカベコの息が荒くなってきた。
「ああ、そこだ…お前初めてのわりに良くわかってるじゃねェか。クロマサにここ責められたのか」
図星ゆえに、あの話を持ち出してくるなどなんて嫌な男だと不愉快さが増す。
カリを舐め始めるととたんにアカベコの魔羅自身が起こす脈動が激しくなった気がする。
その拍子に大地の口元を離れて自身の腹の方に頭が伸びていってしまい、大地はそれを追いかけようとした。
「お?いいねェその顔。おちんぽ様を咥えたい一心で口開けて追いかけてくるスケベな面。客は大悦びするぞ」
「……」
教習動画の中で、楓もスケベと言われていた。
彼はその時どう思ったか知らないが、大地はすごく嫌な気持ちになった。
意図せず男を悦ばす仕草や表情をしてしまった。屈辱的な気分だ。
だがアカベコはそんなことを気にせずご満悦な様子でさらなる場所を提示する。
「この流れで、裏筋をぺろんちょしてくれ」
名前のごとく筋の形状をしている部分は、大人の魔羅の部分の中でも大地が特に醜悪と感じるところだ。
強力な勃起の影響でこれでもかと見せつけてくるアカベコのそこに、嫌だがぴと、と舌をくっつけた。
「ふっ」
カリと同じくどうやらここもかなりの刺激があるらしく、アカベコは大きく身を揺らせた。
舌を大きく動かすのにはまだ抵抗があるので、舌の上に乗せた裏筋部分を少しだけ転がすようにする。
「ぉぉっ…よし、そのまま…お手々でシコシコするんだ」
大地が言われるまま魔羅をしごくと、アカベコは鼻息を荒げて興奮した。
最初は無味と感じたアカベコの魔羅だったが、しばらくそうしているとしょっぱい味がし始めた。
「…?」
大地は不思議に思っていったん魔羅から舌を離す。
すると魔羅の先から透明の液体がにじみ始めていた。
「…こりゃあな、先走り…我慢汁とも言うな。射精の前段階に出てくる液だ。これが出てくりゃ、男は相当興奮してると思っていい。ひとつの目安と思っとけ」
そういえばクロマサの魔羅の先からも滴るほどに出てきていた。小泉のものからも。
粘度や色から尿ではないと思っていたが、あれがこの先走りというものだったのか。
相当興奮している目安。過去のことなのに心底ぞっとした。
アカベコは大地の気も知らず次の指示を出した。
「じゃあ、最後は亀頭。そこを口に含んで魔羅全体をしゃぶれ」
「……!!!」
長らくの勃起で先走りがどんどんとあふれているアカベコは、我慢ができずに一気にハードルの高い要求をした。
