こんなところに有無を言わせず連れて来られた目的。
下衆の権化のようなこのふたりのことだ。
それは容易に想像がついた。
(こいつら、今日の研修にはいなかったはずだ。てっきり長期の休みに入ってると思ってたのに…!)
あまりのことに目を見開いて固まる大地の前でクロマサはスルスルと自分の帯をほどいて、たちまちふんどし姿になる。
そしてアカベコから大地をさらって、用具室にあるテーブルに押し倒した。
「ほんっと、絶好のチャンスだったな」
真っ裸の大地を見下ろしながらクロマサは舌なめずりをする。
その間、アカベコも着物を脱いだ。
彼は一緒にふんどしも脱いで全裸になる。
股間はしっかり上向いていた。
アカベコの勃起した魔羅は、これから大地をどうするのかを物語るのに充分だった。
「っ、ゃ……!!!」
もう口は塞がれていないのに、あまりの恐怖にかすれた声しか出せない。
「おじさんサンドイッチしてやろうなァ」
そう言って大きくなった魔羅の頭が揺れるのも構わず、アカベコは揚々とテーブルに近づいてきて横たわる大地を再び抱き起こした。
そして自分の方に大地を向けて正面から抱きしめる。そのままテーブルに寝転んだ。
初日の身体検査時も、菊門のチェックで大地が暴れてはいけないとアカベコにこうされた。
大地の下腹部にアカベコの怒張した魔羅が否応なく触れる。
「っ、やっ…やだ、放せ!」
吐きそうなほどの嫌悪感に襲われて大地は暴れた。
「うお、バタバタされるとちんぽがこすれて…ったまらん」
逃れたい一心で暴れる大地にすら身も心も性的刺激を受けるようで、アカベコは悦んで受け入れていた。
「はいはい、無駄な抵抗はやめろって」
自分に対し丸出しになっているお尻を揉みながら、クロマサは背後から大地に囁いた。
「いっぺん失敗したけど…やっぱりお前のことあきらめきれなくてな。こいつと相談して、ふたりでお前をヤッちまうことに決めたんだ」
「……!!!」
大地は後ろから覆いかぶさるクロマサを呆然と見つめた。
「研修室でお前にいろいろ施した時、結局ご主人様の邪魔が入って最後までヤれなかっただろ?しかもその後、お前の挿入練習相手は何故かシャマンが
専属ってことになっちまったし」
「そうだぜ、あいつに組み敷かれてヒィヒィ泣くお前見て、オレたちゃどれだけお相手願いたかったことか。あれじゃあ蛇の生殺しだっつーの」
クロマサに同調してアカベコは不満気に顔を歪ませた。
(オレ…オレ、こいつらに最後まで…犯されちゃうの?そんなことになったら、もう中村屋にいられなくなる…!それにこいつらだって見習いに
手出ししたって辞めさせられるのに。なのになんで…!!!)
大地の表情を見て、クロマサは何を考えているのか気づいたようだ。
「今から…」
いったん言葉を区切ったクロマサは、アカベコに抱きしめられて身動きのとれない大地の肢体に視線を投げる。
上から下までじっとりと舐めるように見て、ふぅん、と大きな鼻息を吹いた。
その目には囚われの大地を見て彼の中で肉欲がめらめらと増大していくのが見てとれた。
「気の毒だが、お前にゃ表沙汰には『勝手に中村屋に侵入した少年愛者に犯された可哀想な見習いの少年』ってやつになってもらう」
「…!!!」
「うまい具合に中村屋には、世の少年愛者が毎夜こぞって忍び込もうと躍起になってくれてる。そこをうまく利用して、思う存分お前の身体を愉しませて
もらうから」
不審者がここ中村屋を日々狙っているのをいいことに、クロマサは自分たちの手が一切汚れない設定を考えついたのだ。
大地は大きな衝撃を受けた。
「オレたちまだまだここで働きたいもんな。こんなオイシイ仕事、他には絶対ねェもん」
大地の髪をいやらしく撫でながらアカベコがその感触にうっとりと続ける。
「へへ、こないだお前の部屋の窓に精液がついてただろ?その犯人は実はオレたちさ」
「えっ」
大地は驚愕のあまりアカベコの顔を見た。それは相変わらず下品で醜悪だった。
「あれはな、今日のために不審者が入って来たって事実を事前に作っとくための工作さ。ああしとけば、今日の件はあの晩に侵入してきた男、しかも複数の
ヤツらがお前を狙ってレイプしたって筋書きが通るだろ?だからオレたちの犯行はバレないって寸法だ」
「……!!!」
大地の目から自然に涙がこぼれる。
自分を犯すために、そんな事前工作まで行うこいつらの下劣な性欲の根深さが純粋に怖ろしかった。
クロマサが後ろから大地の太ももをすりすりと愛撫しながら微笑む。
「あの晩、障子開けてくれてたからお前の寝姿がばっちり見られたぜ。寝相が良くねェからこの可愛いあんよも拝めて、研修室でコレをぱっかり
割り拡げられてオレにいたずらフルコースされたんだよなァこいつ…とか思いながらちんぽをこすりにこすったってわけよ。いや〜気持ち良かったな〜」
「でもオレたちすっげーがんばったよな。複数犯の犯行に見せかけるために、他のガキの窓にも同じように射精して回ったんだから。シコシコしすぎて
ちんぽから煙が出たよ」
アカベコの発言がおもしろかったと見えて、クロマサはガハハと大口を開けて心底愉快そうに笑った。
アカベコも満足そうに笑顔を見せている。
大地はそれを見て、この男たちの下劣さにショックと動揺を隠せなかった。
こいつらは今までさんざん『評価を下げたくなければ言うことを聞け』と研修内容に関係のないいたずらを繰り返してきたくせに。
屈辱的な思いでずっとそれを我慢してきたのに、最後には身勝手な欲望のもとオレを犯そうというのか。
レイプされてしまったら、中村屋の陰間としてデビューできない。
そうなるとライタとカイトがここに連れて来られてしまう。
嫌だ、それはどうしても避けなければならない。
どうすれば…どうしたらいい!?
万事休すのこの状況を打破するべく働かない頭でどうにか考えを巡らせる大地に、クロマサとアカベコは無情な宣告をした。
「お前は今後ここで働くことはできなくなるが、まァそれはそれとして…また別の陰間茶屋に雇ってもらえ。その前にちょいとオレたちの慰み者になってくれな」
「怨むんなら、名門に生まれた自分を怨みな。あと、お前に触れることを禁じたご主人様と、見習いどもの支持がたいそうお高くて調子に乗ってるシャマン様も」
「うぅ…くっ」
大地は嗚咽を上げた。
こいつらの言うことやることはめちゃくちゃだ。道理も何も通用しない。
ライタとカイトを守ることができない。
あの子たちを大人の毒牙から守ることを支えに、ここでの辛い毎日に耐えていたのに。
以前クロマサひとりでもレイプされかけた時、怖ろしくてたまらなかった。
なのに今度はアカベコまでいる。
思ったように声が出ないし身体も動かない。
ではもう、こいつらの好きなようにされるしかないではないか。
大地を大きな絶望が襲った。
「ぅぇ…ひっく、ん…んぅ」
声を上げて泣く大地も、クロマサとアカベコの前では性的刺激を存分に与えてくれるエロティックな対象となってしまう。
ムラムラと情欲を抑えきれなくなったクロマサが興奮気味に言った。
「ごちゃごちゃ言ってねェで…さっきまで挿入練習してた菊門の具合を調べるとしましょうか」
「クロマサおじさんの〜ぺろぺろチェック!」
大地の下で心底愉しそうなアカベコは、その言葉を合図に大地の小さなお尻を両手で持って、左右に割り開く。
「っ…や!」
差し出された双丘の間には、『召し上がれ』と言わんばかりに可憐なピンク色をした美味しそうな菊門が丸見えになっている。
その誘いに乗らないクロマサではない。嬉々として割れ目に顔を近づけた。
「あゥ!」
ぴちょっ、ちゅ、べろん、べろ、くちゅぅ…いやらしい水音を立てながら、クロマサはそこに舌を這わす。
アカベコはクロマサが隅々まで舐めつくせるように、左右から大地のお尻を可能な限り広げている。
「げひひ、外側がちょっとほぐれてるぐらいか…相変わらずうめェぜェ大地」
「やぁァ、いや、やめ…!」
菊門を中心に大地の股間がクロマサの吐息で熱くなる。
どうにか動く範囲で身をよじるが、それがまた下に重なるアカベコの魔羅を刺激するようで彼の吐息も切なくなる。
「ハァ…ハァ…」
アカベコははっきりと聞き取れるほど息を荒げて、ローションを大量に手に垂らし始めた。
それを大地と自分、互いの身体が触れ合う場所、特にペニスを中心に塗りたくった。
「こうすりゃあよ、ぬるぬるして滑りがいいからより気持ち良くなれるぜ?」
大地の尻を割り開いたまま、そう言ってアカベコは腰を大きく動かす。
勃起した彼の魔羅が大地のおちんちんに纏わりつく。
「あぁうん、あっ…いやだ、やめろってば…あッん!」
菊門を舐められている時からその兆しはあったが、硬いものでぬめり良く刺激されて大地のペニスは次第にはっきりと勃起してきた。
「ぎひぃ、そんなこと言ってオレのちんぽに大地くんのぴんぴんおちんちんが纏わりついてきてクソ気持ちいいんだけど?ホントはやめてほしくないクセに」
「うぅふぅ、あっ…んっん、あうゥ…あっん」
「おォい、揺れすぎ。舌挿れようとしてんのに的が定まらねェから入らねーじゃねーか」
ペニス同士をこすり合わす快感に酔いしれるアカベコを、菊門を舐め続けていたクロマサが不満気に叱る。
「それによ、大地の口しっかり押さえとけ。声が外に漏れて気づかれるかもしれねェ」
「はいはい、わかりました!」
アカベコは愉しんでいたところを止められて、むくれつつもバレたら大変だと片尻から手を離し、大地の口を塞いだ。
「んぐぅっ」
大地は再び声を出すことができなくなり、苦し気にうめいた。
アカベコはそれでも腰を軽く動かして大地のおちんちんの感触を愉しみながら、クロマサを急かした。
「アヌリングスもいいけどさ、早くヤッちまわねェ?気づかれたら元も子もねェんだし、お互い一回でも多くハメたいだろ?」
「そうだな…じゃあとっとと指馴らしイクか」
クロマサはアカベコの提案を素直に飲んで、ローションにまみれた中指を大地の菊門に一瞬擦りつけ、不躾にぐりっと挿入した。
「っっ!!」
痛みのため大地の背中がびくりと大きくのけぞった。
中に挿れられた指は、ゆっくり拡張する気などまるでない乱暴なものだった。
いやらしくかき混ぜながらどんどん奥へと進んでいくその強引さに早くペニスを挿入したい気持ちが表れていた。
「んんっ、ん〜!」
アカベコに口を塞がれていても、肩をすくめ必死に拒絶の意思を示す大地。
だがクロマサはそんなことお構いなしに感激した面持ちでひとりごちた。
「おお、せっま〜!こないだ舐めまくった時も思ったが、ぎちぎちなのになんだァこの柔らかい感じ…ここにちんぽこ突っ込んだら天国だろうなァ」
指をさらに激しく動かしながら中の感触を貪欲に味わっている。
アカベコはそんなクロマサが羨ましくてたまらず、急かす気持ちを表すように再び大地に魔羅をこすりつけている。
先ほどと違い、大地のおちんちんは痛みと恐怖ですっかりしぼんでいた。
痛い。辛い。
何よりもこのままレイプされて中村屋にいられなくなり、ライタとカイトが売春せざるを得なくなることが恐怖でしかない。
「んっ、んん、んぅっ…!」
クロマサの責めから逃れようと身をよじりながら、ビク、ビクと痙攣する大地の目から涙が伝い落ちる。
その反応は下衆な男たちの劣情をより煽るものでしかない。
ふたりの男の喉元から、グフフとくぐもった醜い笑い声が漏れた。
