スリーパーズ22
授業中のため、建物内はしんと静まり返っていた。
シャマンは大地を抱いたまま、医務室へ入った。
「シャマン」
校医のケヴィンが2人の姿を見て、腰掛けていた椅子から立ち上がった。
「…大地くんじゃないか。どうしたんだ」
ケヴィンはシャマンに近づきながら、嬉しそうな顔をする。大地をベッドに横たえながら、シャマンは答えた。
「体育の授業中に倒れたんだ。ベッドを借りるぞ」
青い顔で意識が混濁しているような大地と、それを所有物のように扱うシャマン。
この2人の間の空気が、以前とは変わった気がする。ケヴィンはそう感じて、シャマンに尋ねた。
「…もしかして、もうヤッちゃったのか?」
シャマンはケヴィンに、不敵な笑顔を見せる。その顔を見てパァッと喜びの表情を浮かべたケヴィンは、大地に視線を移した。
「そうか〜、そうなのか〜…!」
ケヴィンは体操服姿の大地をじっくりと見つめる。短パンから惜しみなく飛び出た脚は艶めかしく、ケヴィンはゴクッと唾を飲みこんだ。
この少年はもう、シャマンに穢された。入所日に自分がイタズラした純真無垢な大地ではもうないのだ。
シャマンのお手つきになったということは、そのおこぼれに与れる。ケヴィンは嬉しくて仕方なかった。
そこに、シャマンの居丈高な声が響いた。
「お前は今回参加するな。誰も入ってこないよう見張りをしていろ」
喜んでいた分、その頭ごなしな命令には納得がいかない。ケヴィンは不満気に言った。
「なんだよ、場所を提供してやってんだ、オレだって…」
「こいつはオレ専用だ」
「……!」
話を遮られたケヴィンは、シャマンの目を見て言葉を飲み込んだ。
その目は、『オレの言うことに黙って従え』と物語っている。いつもよりますます高圧的で、有無を言わせない異様な迫力があった。
ケヴィンは圧倒されて、それ以上何も言えなかった。あからさまにがっくりと肩を落として、見張りにつくため医務室の扉を出て行った。
ベッドの上に横たえられた大地は、意識がはっきりしないため2人の会話がよく聞こえなかった。ぼんやりと暗く霞みがかった視界の中に、自分を見下ろすシャマンが見える。
「……」
シャマンはおもむろに大地にのしかかる。大地はハッとして叫んだ。
「イヤっ!!」
Tシャツ型の体操服をずるりと持ち上げられて、胸を露出される。桜色の小さな突起を目当てに、シャマンが舌を伸ばす。
そこに吸いつかれて、大地は暴れた。
「イヤだァ!やめろっ…やめろ!!」
大地の鼓動が、恐怖でドキドキと激しく脈打つのがシャマンに伝わってきた。
昨晩のレイプの時、大地は何をされるのかまったく分かっていなかった。
だが今度は違う。シャマンが自分に何をしようとしているのかが分かっている今は、ただただ怖ろしくてたまらなかった。
精一杯抗っても、昨夜と同じくシャマンはいとも簡単に自分を抑えつけてしまう。
ピンクの突起を先ほどよりも激しく愛撫する。むしゃぶりつく音がじゅるじゅるといやらしく響いて、大地を威嚇した。
「うぅふ、イヤだ、いや…うぅー…っ…」
大地は悲痛な泣き声を上げる。怖い。怖い。怖い。その気持ちに押しつぶされそうだった。
シャマンは、ふ、と身を起して大地の顔を見た。
「ぅぅっ…く…ふぅ…」
大地はべそをかいて、シャマンの無慈悲な行為に耐えるべく、目をギュッとつぶり顔を背けていた。
「…そんなにイヤか」
シャマンが手を止めたので、大地はゆっくりと目を開いた。そしてシャマンの方へ向いた。
シャマンは再び大地に問うた。
「オレに触れられるのが、そんなにイヤか」
「…イヤだ!イヤに決まってる、こんなこと…!ぅっ…」
威勢よくシャマンを睨んだ大地だったが、自分のされていることを改めて考えて、その屈辱に耐えきれず嗚咽を漏らした。
大地の胸は自分の唾液でべったりと濡れている。シャマンの胸がチリ…と小さく痛んだ。
昨日、大地に差し伸べた手を振り払われた時と同じ、胸のざわめき。
その正体がなんなのかシャマンは分からなかったが、大地の拒絶は腹が立つと同時に、自分の何かに火をつけたことは確かだった。
「こんなこととは…ケツに突っ込まれることか」
シャマンは冷酷に笑って、再び大地を問い詰める。
大地は答えに窮した。
シャマンに聞かれたことは、身体だけの話だ。それならアナルに無理矢理あんなことをされるのは一番イヤだし、とても辛い。
だがシャマンは心を屈服させるため、踏みにじるために、レイプという手段を使っているのだ。
それが分かっているだけに、すぐに答えられなかった。
「答えろ」
シャマンがベッドに乗り上げてくる。その威圧感に、大地は怖ろしくなって思わず頷いた。
「…お尻、痛いし苦しいから…イヤだ」
大地が赤くなりながら俯いて答えるのを見て、シャマンは邪悪な笑みを浮かべた。
「じゃあ、口でしろ」
「はぅ!」
すぐさま大地の髪の毛を掴んで、自分の股間にその顔を近づけた。
――ラビがナブーにしていたあの行為。それを命ぜられて、戸惑った。
大地はくやしかった。さっきの質問は、この行為に大地を導く誘導尋問だったのだ。
歯を食いしばってシャマンを睨んでいると、シャマンはさらに口の端を上げて笑う。
「…できないのか。だったらやっぱりケツだな」
大地の腰を持って、ペニスを挿入する体勢へ変わろうとする。大地は必死で抵抗した。
「イヤだ!」
「ならば大人しくおクチでご奉仕しろ」
大地の手をとって、自分の股間へと導く。
大地はイヤでイヤで仕方がなかったが、昨日の痛みを考えると従うよりほかなかった。
シャマンのペニスはすでに膨らみ始めており、ズボンの中ではっきりと自己主張していた。
「っ……」
大地はギュッと握りしめた手をそこにあてがわれて困惑する。
「おら、自分で出せ」
シャマンに言われ、ジッパーを下げてペニスを露出させた。はちきれそうなぐらい大きく勃起したものが大地の目の前に躍り出てくる。
大地は息をのんだ。
シャマンは上から大地を見下ろし薄く笑っている。
「早くしろ」
大地は急かされ、意を決してペニスにそっと震える手を伸ばした。顔を近づけると、先ほどよりもペニスが大きくなったような気がする。
これを今から咥えなくてはならない。
昨日、自分をさんざん苦しめたこれ。どす黒く醜悪で、シャマンの化身そのものだった。
大地が戸惑っていると、シャマンが焦れて無理矢理口元にペニスを押しつけてきた。
「んぐっ!」
大地は小さく悲鳴を上げてそれを咥えた。
「ふふ…噛むなよ…噛んだら罰として、すぐにケツにぶち込んでやるからな」
息を荒げながら、シャマンは大地に言い聞かせる。大地は必死でシャマンのペニスに舌を這わせた。
「っ…、んっ…!ぉぶっ」
フェラチオなど大地はもちろんしたことがない。口いっぱいにシャマンのペニスを頬張り、その息苦しさと気持ち悪さで涙を流していた。
口元からは唾液が伝い落ち、涙で目が潤んでいかにも苦しそうだ。
その姿がシャマンの嗜虐心に火をつける。大地の髪の毛を掴んで、頭を前後させた。
「うぐっ…!んぉっ」
大地は呻きながらされるがままになっていた。
そうしていると、いきなりシャマンが大地の口からペニスを出した。
大地が苦しさから解放されホッとした瞬間、シャマンのペニスから勢いよく欲望が放たれた。
「!!!」
熱い精液が顔に飛び散り、大地は思わず目をつぶる。
「ぁ…」
視線を落とし、呼吸を荒げて、自分の精液で顔を汚す大地。それを見てシャマンにはさらなる欲情が芽生えていた。
