スリーパーズ30
少しの間そのままじっとしていた。
「どこにいるんだー?ほれほれ、大人しく出てこないか大地ーー!!」
離れたところから執拗に自分を探すナブーの声が聞こえてくる。
大地はチェストの暗闇の中、頬に流れる涙を拭った。
なんでこんな目に遭っているのだろう。自分の境遇を憐れむ気持ちが大きくなり、それに押しつぶされそうになる。
ほんの数か月前は、毎日楽しかった。大好きな家族やラビ、V−メイに囲まれて、平和なラビルーナで何にも怯えず暮らしていたのに。
叶うのならば、あの事件の前、ルナリバーで遊んでいた時間に戻りたかった。ただただはしゃいでいられた、あの時間に。
だが、それはもう無理な話だ。
自分もラビも、悪魔のような看守たちに目をつけられてしまった。シャマンとナブーに嬲り者にされる毎日に耐え続けるしかない。
この少年院を出たら、自分はルナリバーの頃のように笑えるのだろうか。屈託なく、無邪気に笑える日が来るのだろうか。
…もう来ないかもしれない。こんな屈辱を与え続けられたあとでは、きっとあんな風には笑えないだろう。
大地の頬に、再び涙が流れ落ちた。
そんなことを考えていると、突然チェストの扉が開いた。
大地がハッとしてそちらを見ると、欲望にとりつかれたナブーが覗きこんでいた。
「見〜つけた」
「!!!」
目を見開いて凍りつく大地の腕をナブーは掴んだ。そして有無を言わさずチェストから引きずり出す。
「やっぱりここだったんだな。制限時間はあと3分残ってる。オレの勝ちだー、さァ大地、約束通りファックタイムと行きますか」
「っ…いやっ…!イヤァァ!!」
恐怖が最高潮に達し、パニックで暴れる大地をナブーは後ろから羽交い締めにする。
その大きな手は、大地のシャツをいとも簡単に破り去る。外れたボタンがバラバラの方向に飛んで行き、それぞれ小さな音を立てた。
「や、やめろ、放せっ…!」
ナブーの吐息が首筋に触れたかと思うと、たちまちうなじに吸いつかれた。ナブーは大地を堪能できる悦びが高じて、荒々しく抱きすくめてきた。
「大地ぃ、大地…」
うわごとのように繰り返しながら、むしゃぶりついたそこをべろべろと舌で舐めつくしている。前に回した手は無遠慮に大地の裸の胸をまさぐっていた。
大地は悶えたが、ナブーはますます興奮したようだ。
「オレ、初めてお前の尻を見たときからずっとこうしたかったんだぜェ」
「ぅぅっ、イヤだ、放してよっ」
「それなのにシャマンのヤツが邪魔しやがって…!お前、シャマンにしかまだやられてねェんだろ?じゃあ、オレとあいつ、どっちが気持ちいいか教えてくれよ」
ハァハァと息を荒げながら、そのままベッドのマットレスに倒れこむ。大地はナブーの巨体が背後から乗り上げるので、その重苦しさに悲鳴を上げた。
「うぅんっ!」
ナブーはそんな大地の口唇を捕らえ、キスをしてきた。大地は慌てて顔を伏せそのくちづけから逃れる。ナブーは大地を仰向かせた。
「っ!」
真正面からナブーが再びくちづけてきた。すぐに大地の口唇を割り開いて、ゆっくりと舌を挿入させる。
入れられた舌は逃げる大地の舌とからもうと、小さな口内を蠢いている。それはじっとりと粘着質で、ひげの感触も手伝って大地は気持ち悪くて仕方なかった。
「ぁっ…んはっ…んぅ、ん」
「ぐひひ…」
大地が苦しさの余り小さくあえぐのを聞いて、ナブーは満足そうに笑う。
そのままナブーはゆっくりと下に下りていき、大地の胸の突起にむしゃぶりついた。
「あんぅっ」
「どうだァ、気持ちいいかァ大地」
ナブーは大地の反応をしっかり見ようと、爛々と光る目で顔を見つめている。そのくせ舌はべろべろと縦横無尽に動かしていて、その偏執的な愛撫に大地は閉口した。ナブーの質問に
答えたくないため、大地は首を振る。
「んん?こんなんじゃ物足りないのか?じゃァ…」
『気持ちよくない』と言われたと勘違いしたナブーは、躍起になって大地の乳首を責めた。片方をすごい勢いで吸引し、もう片方は爪でひっかいた。
「ひあんっ、違っ…!」
大地はのけぞって声を上げた。その反応が可愛くて、ナブーは夢中になってしばらくその行為を続けていた。
「やだ、やだ、や…」
泣きながら訴える大地のペニスに手を伸ばすと、そこはすでに勃起していた。ナブーは嬉しそうに目を細める。
「やだじゃないだろ〜、こんなにしちゃって…可愛いちんちんだな〜、食べちゃおう」
「っ!」
ナブーはぱくりと大地の性器を咥えた。大地はびくん、と身体を大きく揺らせた。
「はぁんっ!」
さすが少年愛者と言うべきか、ナブーは少年の身体のどこをどういう風にすれば反応するか知りつくしていた。
ペニスの先の割れ目を固くした舌でなぞったり、全体を口に含んで軽く吸い上げたり、口唇でねぶったりと、少年を熱心に求める本来の性質も手伝ってたちまち大地を追いつめた。
「っ、ぅふぅ、あっ…あああっ!!!」
ナブーは大地が射精する時も、そのペニスを口から離さなかった。当然口内に大地の精液が放たれる。ナブーはうっとりとした顔でそれをすべて飲みこんだ。
「あぁ、美味い。大地の精液は美味いぞォ」
大地は薄い胸を上下に揺らしながら、ぼぅっとした顔で絶頂の余韻に浸っていた。それを見下ろして、ナブーは舌なめずりをした。
そんな大地の腕をとって、半身を起き上がらせた。
「お返ししてくれ」
ナブーは大地の口元に大きく怒張したペニスをあてがう。大地はハッとして顔をそらすが、ナブーは髪と顎を掴んでその小さな口にペニスを突っ込んだ。
「んんふ!」
「…っ〜〜…あ〜、ほんっと、ガキの舌は柔らかくて気持ちいいなァ…ぉっ…」
ナブーのペニスは短かったが、その代わりに太かった。特に頭の部分が丸く大きく、口内に収めるのもやっとといった感じだ。しかも匂いがきつかった。
ただでさえフェラチオは苦しくて気持ち悪いのに、大地は吐き気で胸がいっぱいだった。
「ぐっ、おぐ、…っ」
「そうだ、そこだ…うおっ…っはぁ…」
目尻から涙を流して口淫を強いられる大地の頬を、ナブーは愛おしげに撫でた。だが大地にとってそれは不快でしかなかった。
ナブーは大地の頭を両手で支えて、腰を前後に揺らし始めた。
「おぶっ、ぅぇっ…んぐぅっ」
大地は苦しげな声を漏らしながら、責め苦に耐える。ナブーはその顔を見下ろして、震える声で言った。
「あーっ、もうダメだ、出るぅッ!」
そしてそのまま大地の口内に、盛大に射精した。
熱い精液が口いっぱいに広がり、その気持ち悪さと苦しさに大地は吐き出した。
「げぇっ…!ぅぐ、ごほっ…!」
そんな大地を見て、ナブーは残念そうに言った。
「あー、もったいない」
そして俯く大地を上向かせ、口元についている自身の精液混じりの唾液を、太い指でその口に再び入れようとする。
「んんっ!!」
抵抗する大地に、ナブーはいきなりくちづけた。そして舌を使い、自分の精液を大地の舌、歯ぐきなどにまとわりつかす。
「やあ、ぁっ…んんぅぅ!」
フェラチオの苦しさから解放されたと思ったら、再び呼吸をふさがれ大地は息をあえがせた。ねばりつくようなナブーの愛撫は、ただただ気持ち悪かった。
ナブーは今度、マットレスに自身が座り、あぐらをかいた。その上に大地をうつぶせにして、横抱きで寝転ばせる。
その白くて丸い、すべすべのお尻を突きだすような体勢をとらせている。ナブーは上から見下ろして悦んでいた。
大地はじたばたと暴れるが、巨漢のナブーには力で敵うはずもなく、何の効果もなかった。
そのままの体勢でナブーは大地のお尻を少し持ち上げ、そこに顔を近づけた。
「…っ」
ナブーの舌がお尻の割れ目に伸ばされる。最初はその筋を縦に大きく舐めていたが、アナルへも愛撫を開始した。
「んんふ、ふぅんっ…や、ああ」
大地は腰を引いて逃げようとするが、ナブーは身体をかがみこませて大地のお尻から離れようとしない。
「やだぁ、いや、あっあう」
大地の戸惑いを含んだ甘い声を聞きながら、少ししてナブーがぽつりと呟いた。
「…やりにくいな、顔も見えねェし」
ナブーはどうも、体勢的に大地の顔や反応がはっきり見えないのが不満だったらしい。いきなり大地を仰向けにすると、座っている自分の口元に大地のお尻がくるよう、脚を大きく拡げて
逆さまの体勢をとらせた。
大地はハッとして自分の脚の間を見ると、ヨダレを垂らしてニヤニヤと笑っているナブーの顔が見えた。
「!」
恥ずかしくて苦しくて、大地は体勢を変えようとするが、もちろんナブーはそれを許さない。目の前の大地のアナルに再びむしゃぶりついた。
「っ!」
アナルの皺を指で伸ばして、そこに舌を這わす。アナルの中にも挿入し、とても執拗に舐め続けた。大地の背中にナブーの唾液が流れていた。
大地のペニスを愛撫することもナブーは忘れておらず、太い指で器用に刺激を与えている。
「ふっ、ううっん、ん〜…」
シャマンが大地をもったいぶったばっかりに、それを我がものにできる今、ナブーの欲望はとどまるところを知らなかった。異様な迫力を持って、大地を辱めた。
大地はただ泣いて耐えるしかなかった。
ナブーは大地のアナルを舐めるのを辞めて、マットレスに横たえた。そして自分のペニスにローションを塗りたくる。
何も言わずに大地の脚の間に入り、ぬるぬると光る自身のペニスを片手で支えて、アナルへの挿入を試みる。
「い…や、ぃやっ…」
力なく頭を振って拒絶するが、もう逃れることができないことは分かっている。絶望する大地に、ナブーは低い声で語りかけた。
「ほら、オレ様のちんぽが入るぞ?…まずは頭だ、入るぞ?」
ジリジリと腰を進めながら、丸い亀頭を大地のアナルへ埋没しようとする。それはとてもゆっくりだった。
「っ…!ひん、ひあっ」
「っ入ったっ…!」
大きな頭の部分は大地のアナルに無理矢理侵入し、痛くてたまらなかった。
「お〜、すごい締めつけ…お〜気持ちいい…っ、大地、気持ちいいぞォ」
ナブーは感嘆の声を上げながら、完全に興奮しきった様子で大地を見下ろしてくる。大地は痛みに悲鳴を上げた。
「いた、痛いよ、痛いぃっ」
「オレのちんぽの方がシャマンのよりでかいだろう?ゆっくり入れてやるから我慢しろ」
そして再び挿入を開始した。ナブーは大地の反応を愉しむようにいちいち語りかけてくる。
「お、半分まで入ったぞォ?どうだ、気持ちいとこに当たってるか?」
「…うぅ、いっ…」
「ん〜、もうこれ以上入らないな。どれ、シャマンよりオレの方がイイってこと、分からせてやる」
痛みにあえぐ大地を少し気遣いながら、ナブーは腰を前後に動かしだした。
「ああ!」
ナブーはペニスを大地のアナルの様々な角度に当てようとする。愛撫と同じように、すべてを味わいつくそうとする粘っこいピストンだった。
「やだぁ、やだ、あっあっ、あはぁ、あん!」
「どうだ、シャマンよりオレとのセックスの方が気持ちいいだろう」
大地を見下ろして、ナブーが得意げに聞いてくる。
どちらも嫌だ。気持ちいいはずなんてない。
大地が何も答えないでいると、ナブーは突然激しく腰を動かしだした。
「おい大地、答えろ!」
「イタッ、やあ!」
「おら、シャマンよりイイと言えっ!」
そのあまりの痛みから逃れたくて、大地は答えた。
「うぅっ…シャ、シャマンより、いいです…っ!」
「どうイイか言えっ!」
「……」
「言えっ!」
ぐっ、とペニスを強く抜き差しする。大地は目尻から涙を流して必死で叫んだ。
「はうぅ、気持ち、いいですっ」
ナブーは満足げに笑う。そして再び質問する。
「どこがどう、気持ちいいんだ?」
「っ…」
しつこく問うナブーに大地は辟易した。答えたくなかったが、また激しく腰を動かされるのを怖れて仕方なく口を開いた。
「ち、ちんちんが、僕のっ…ふっ…気持ちい…いい、ところに当たります…っ」
ナブーはとても嬉しそうな顔をして、口元を笑いで醜く歪めた。
「もっとオレ様にファックしてほしいか?」
「―――…」
大地は戸惑いながらうなずいた。本当はまっぴらごめんだった。
「よし、これからず〜っと、オレがファックしてやる。シャマンなんかよりずっとイイ思いをさせてやる」
そう言って、ナブーは腰の律動に本格的に没頭した。大地はたまらず身を捩った。
ナブーは当然、一度大地をレイプしただけでは満足せず、幾度も幾度も気が済むまでその身体を愉しんだ。
アナルに指を入れる際は、ここがいいのか、ここはどうだとずっと大地の反応を窺っていたし、お尻の割れ目はもちろん、腋の下や脚の指、おへそ、耳の中など全身をしつこく舐めた。
シャマンは大地を痛めつけるためにレイプしていたが、ナブーはレイプそのものを悦んで行っていた。
大地は一晩中、小児性愛者のナブーにおもちゃにされ続けた。
