スリーパーズ31
大地が地下室でナブーに弄ばれている時、シャマンはラビの部屋にいた。
大地のことを考えるとどうにも落ち着かないシャマンは、いつもより乱暴にラビを犯した。
「ふぅ、くっ…あぁっ」
「…っ」
ラビはいつもと違うシャマンの様子に気づきつつ、大地を守るべく心を殺して嗜虐的なレイプに耐えた。
ことが終わり、ベッドに座ったシャマンは煙草を吸っていた。ラビはうつ伏せで壁の方を向いて、じっとベッドに寝転んでいる。
「お前…いつも思っていたが、オレとの時は大人しいな。ナブーとだともう少し暴れると聞いたぞ」
ラビはこちらに向くこともなく、そのままの姿勢で黙っている。シャマンはフッと笑った。
「オレがここに来る時は、大地のところへは誰も行かない。だからあいつは誰にも犯されない。そう思っているのか?」
ラビはくるっとシャマンの方へ向いた。
図星だ。それをシャマンに見破られ、ラビは答えた。
「…だったら何だよ」
シャマンは一度クッと喉を鳴らし、そのあと肩を揺すって大笑いしだした。
「な、何が可笑しい!」
「健気なことだな」
そんな2人の耳に、廊下から足音が聞こえてきた。あの下品な歩き方はナブーだ。いつも聞いているので間違いない。
「…ナイトはお姫様を…守り損ねたな」
シャマンに言われ、ラビは嫌な予感がした。
「っ大地…?…ナブーか…?大地に何を…何したんだよ!」
シャマンに詰め寄るラビの部屋の前にナブーがやってきて、中の2人に気づいた。シャマンはラビを振り払ってナブーの元へと近づく。
ナブーに抱えられている大地を見てシャマンは一瞬立ち止まったが、そのまま無言で部屋の扉を開け中に招いた。
「……!!!」
ラビは、大地を見て言葉を失った。
ナブーに抱き上げられている大地は意識がなく、見るも無残な姿だった。
露出されている胸や脚には無数のキスマークと、ナブーの精液。一応トランクスは穿かされているが、その後ろは血で汚れている。
持ちようがなく大地の腹の上に置かれた衣服は、ビリビリに引き裂かれていた。
大地の顔は青く、そこにもべったりと精液がついて濡れていた。閉ざされた瞳からは涙の筋がいくつもできていた。
ラビは自分もナブーにレイプされているため、ヤツの性癖は嫌というほど知っている。
しつこくて粘着質で、子どもとセックスすることを無上の悦びとしている男。この大地の様子を見れば、どんなひどい性的虐待が行われたのか予想がついた。
シャマンは特に何も言わなかったが、ぐったりと気を失っている大地をじっと見つめていた。
どういったわけか分からないが、ナブーに犯された大地を見ると胸がざわめく。そしてチリチリと絶え間なく痛んだ。
無表情に見えるが、心中は穏やかではなかった。
ナブーはそんなことにも一切気づかず、満足げにシャマンに語りかけた。
「おい、お前が大事にするだけあって、こいつ最高だったよー。大地も相当気持ちよかったみたいで、最後失神しちまったぜ。それはそれでオレも興奮しちまって、こいつは知らないだろうが
また1回ハメてやった。最終6…7回?ファックしたぞ」
シャマンは返事をしなかった。大地が失神したのは手ひどくレイプされたためであって、別段快楽が昂ぶったためでないことは分かっている。
シャマンはちらりとラビを見た。
「…く…くそ…お前ら…!!」
憎悪を募らせているラビに気づいて、ナブーは意気揚々と話した。
「お前のオトモダチとのファック、気ン持ちよかったぜェ!?全身くまなくナメナメしてやって…舐めてないのは目ン玉ぐらいだよ!!」
ギャハハ、と大笑いするナブー。ラビは怒りで全身に震えが生じるのを自覚した。
「ああ、いつもお前を相手してるオレが大地とファックしたからって、ヤキモチ妬くなよな。お前も上玉だ、気に入ってる。今度、オレとお前と大地とで3Pしような?」
もうラビは自分が抑えきれず、ナブーに突っかかって行った。
「…っ…!!殺してやる…っ!お前ら、2人とも殺してやる…!!」
シャマンが腕で制する。今度、ラビは怒りをシャマンに向け、暴れた。
シャマンはラビの頬を一発殴り、大地を抱えているナブーとそのまま部屋を出ていこうとする。ラビは慌てて起き上がり、大地を呼んだ。
「大地…っ…大地!!」
この一件で、自分の目が届くところに大地がいないと安心できなくなった。
このまま大地が、こいつらにどこか遠いところへ連れ去られるのではないか、もう二度と逢えないのではないかと、根拠のない猛烈な不安に襲われた。
そんなラビを尻目に、シャマンは部屋の扉に鍵をかけた。鉄格子の間から最後にこう告げた。
「お前に何ができる。お姫様を守り損ねた間抜けなナイトに、オレたちが殺せると思うのか。冷静に考えてみろ」
シャマンの蛇のような目に見つめられ、ラビは何も言えず床に崩れ落ちた。
看守エリアへと続く廊下を歩くシャマンとナブー。
ナブーは念願叶って大地を思う存分堪能できたので機嫌がよく、鼻歌を歌っている。
ふとシャマンがあることに気づいて脚を止めた。
「おい、大地をどこへ連れていく気だ」
ナブーは大地をずっと胸に抱いたままだった。へへへ…と口元を緩めてナブーは笑う。
「あぁ、こいつ今夜はオレのベッドで寝させてやろうと思ってよ。気ィ失ってるのも心配だし、それにオレので全身ベタベタだから、朝にでも部屋のシャワールームで直々に洗って差し上げようかな〜と」
ナブーはかこつけて、また大地に手出ししようとしている。シャマンはそれをはっきりと感じ、注意した。
「おい、勘違いするなナブー。あくまで大地の担当はこのオレだ。オレに無許可で大地に手を出すな」
ナブーからすると理不尽な理由だった。なぜだか分からないが、本当にこの男は大地にご執心だ。
だがその大地は先程レイプした際に、シャマンよりオレの方がイイと言った。実はオレとのファックの方が気持ちいいと。
シャマンが一番お気に入りの大地にそう言わせたことで、ナブーの中に強烈な優越感が生じる。そんなことも知らずに…と思うとシャマンが哀れで、さらに上に立てた気がした。
「まぁ…お前にゃ色々と言いたいコトはあるが…オレは今夜最高に機嫌がいい。許可さえもらえたら大地くんとファックできるんだろォ?シャマン様の言うとおりに致しますよ」
ナブーはそう言いながら、シャマンが非番の日に内緒で大地をレイプしようと思っていた。すると、演技がかったナブーの言葉にフンッと鼻を鳴らしながらシャマンは言う。
「…オレが非番のときに大地にちょっかいかけようとしてもダメだぞ。すぐ分かるんだからな。分かったら大地を部屋へ連れて帰れ」
そして看守室へと足を向けて去って行った。
残されたナブーはシャマンが忌々しく、腹いせに唾を吐いて大地を部屋へ連れ帰った。
大地がベッドの上で意識を取り戻した頃には、もう外が明るくなりつつあった。
気がつくと同時に全身に鋭い痛みが走り、小さく悲鳴を上げた。身体を動かすたびに節々がうずき、アナルは火をつけられたように熱く痛んだ。
先程の地下室で行われたことが、次々と大地の頭によみがえる。
色欲にとりつかれたナブー。そのナブーが自分にしたこと…。
床に転がるボロボロの服、身体についた精液と唾液、そしてその匂い。
獣じみた性欲の餌食になった自分を思い知らされる。動悸と呼吸が速くなり、苦しい。息を吸い込むと、思わず声が漏れた。
「ヒィッ…!」
身体中にまとわりつくナブーの視線、吐息、腕、脚、舌、ペニス。全身が恐怖で震える。大地は嗚咽を漏らし、それを止めようとシーツを口元に当てた。
「うっ…くぅっ…ふ…!!」
だがそれでも声は抑えられず、ただただ泣き明かした。大地は苦しい朝を迎えることになった。
ラビは、自分の部屋にまで聞こえてくる大地の泣き声を聞いて、胸が引き裂かれる思いだった。
