スリーパーズ35
「…何が入ってる?」
答えようとしない大地に、シャマンはなおも聞いてくる。それでも大地は何も言わなかった。
「まだ全部入ってないから、分からないんだな」
シャマンは1人でそう言って、大地の下腹部に手を回し、その身を立てようとした。
「ひ…あ!」
高さのあるテーブルにうつ伏せに乗り上げていた大地は、身を起こされることによって身体が下へずれ、アナルへ挿入されているシャマンのペニスをより深く迎え入れる形になる。
床へ脚がつきかねている大地は、意図せず自分の体重でずぶぶ…と入ってくるものを拒もうと、慌ててテーブルへ追いすがる。だが、ローションで滑ってしまい、何もできないどころか
その動きが逆にシャマンを悦ばせた。
「ぅっ…大地、全部入ったぞ?もう分かるな?」
再び背後からテーブルへ押し倒し、ぴったりと背中を折り重ねてシャマンは尋ねる。
「お前のケツには何が入ってる?」
「〜〜ッ、警棒じゃないもの…!」
大地はシャマンたちを満足させてやりたくなくて、そんな答え方をした。からかわれっぱなしでは悔しくてたまらなかったのだ。
シャマンに組み敷かれている大地を、ナブーは見下ろして言う。
「そういう答えが聞きたくて質問してるんじゃないだろー。分かってて言ってるなお前」
シャマンの指が大地のペニスをからめとる。ローションにまみれたペニスは、そのぬめりでシャマンの手の侵攻をどこまでも許した。
「ふぅん、はっ…!」
シャマンは腰を動かし始めた。ぱちゃん、ぴたん、とローションの粘り気のある音が、シャマンと大地の肌から響きだす。
「お前が答えるまで何度でも聞くぞ。何がケツに入ってる。何をケツの穴から出し入れされてるっ…!」
シャマンが上下に動くたびに、中のものも上下に動く。だんだん激しくなり大地はたまらず言った。
「あぅん、ぁっ…シャマンの…シャマンのっ!」
ナブーは大地を抑える必要もなくなり、興奮して真横で見物していた。
「オレのっ…なんだ?」
「はん、あんっ…あっあっ」
結合部からは、ぶぴぴ、という卑猥な音が聞こえ、シャマンの腰が大地のお尻とぶつかった時、大地の双丘の割れ目からはローションが生き物のように飛び出していた。離れると引っ込み、
ぶつかると飛び出す。ナブーはその様子にたまらず自慰を始めた。
「こんないやらしい音を立てながら、お前はケツから何を出し入れされてるんだっ…!!」
シャマンは前のめりになり、その額が大地の後頭部に当たっていた。それほどまでに腰を打ちつける行為に没頭していた。大地はたまらず答えた。
「あっあう!シャ…シャマンの、シャマンのち…ちんちんんっ!!」
「…正解だ」
シャマンは満足そうに笑う。そのまま大地のペニスの先端をぐりぐりと親指で刺激した。
それまでも全体をぬめぬめと指が這いまわっていたので、大地はもう限界だった。
「あっ…!」
アナルをきつく収縮させて、大地は果てた。テーブルと自分のシャツに白い精を放って、うつ伏せのままぐったりと身を横たえている。
それを見ていたナブーも、こすり上げていたペニスから勢いよく射精した。大地のシャツの背中に、ぱたぱたと精液が飛び散った。
「ふぅー…」
ナブーが息をついたと同時に、シャマンは大地からペニスを抜いた。
「んぅぅっ」
その刺激でイッたばかりの身体をびくりと強張らせる大地。
まだ固く雄々しくそそり立っているシャマンのペニスの先には、大地のアナルとを結ぶローションの糸が垂れている。シャマンはうつ伏せになっている大地を仰向かせた。
それでもシャマンと大地を繋ぐローションの糸は切れていない。それをたぐり寄せるように、シャマンは大地のアナルにペニスをあてがい、正面から再び挿入した。
「っ……!!」
今まで入っていたからといって、挿入時の痛みがなくなるわけではない。大地は肩をすくませた。
ナブーは自身の萎えたペニスを手にして、軽くこすり始めながら笑った。
「大地ー、正解したぞ?見事『看守とセックスできるチケット』をゲットしたなァ」
「今なら特別に『看守にフェラチオできるチケット』もつけてやる」
シャマンのつけ足しに、ナブーは心底愉快気に笑った。
ゆっくりとシャマンは腰を打ちつけ始めたため、大地は苦しげに眉根を寄せてあえいだ。
「ぅっん、ん、ん…あっ…!」
揺れながらシャマンは大地を見下ろす。ゆっくりと味わうようにペニスを出し入れしながら、自身が起こす律動に合わせて揺さぶられる大地をじっと見つめた。
「大地…ケツの感覚だけで何が入ってるか分かるぐらい、オレたちに開発されているというのに…世話になってるオレたちをあんな風に手紙に書くなんて残念で仕方がない」
シャマンはそう言って、大地の横に置かれた手紙を手にとって再度文面を確かめている。その間も休みなく腰を動かしていた。
ナブーは再び勃起し始めたペニスを、大地の手を誘導して握らせた。
「うっ」
「……!!」
大地の手の上から、自分の大きな手を重ねてペニスをこすりだした。大地にこすられている、という意識がナブーを昂ぶらせる。ペニスは大地の手の中で硬度を増した。
大地は鳥肌が立ったが、なすすべなく2人にされるがままになっていた。
手紙を見ていたシャマンが、大地に顔を近づけて笑った。
「せっかくだ、手紙の添削をしてやろう」
その顔には、また新たに大地を追いつめる材料を見つけた悦びがありありと浮かんでいた。ナブーは息を荒げながら肩をゆすって笑っている。
「シャマンのお手紙教室ってワケだな」
「くん、あっ…はぁ…っ」
犯されている大地は、盛り上がる2人の話を聞いてもいまいち内容が理解できない。ただただシャマンの動きに耐え、ナブーを手で慰めさせられている。
「最初のあいさつ文はいいとして…この少年院のことはこう書け」
手紙を見やってシャマンは続ける。
「『ここの少年院は、とても素晴らしいところです。出来の悪い僕を、看守の人たちがしつけなおしてくれます』」
ナブーは息を荒げながら同意する。
「っ…ハァ…そうそう」
「ぅぅ…っ」
大地はぼんやりと、シャマンの言っていることがなんなのか理解することができた。みじめになり、自然に涙があふれてくる。
「『僕もラビも、看守の人たちにはとても感謝しています。悪いコな僕らを、時に厳しく、時に優しく指導してくれるからです』」
シャマンはそう言って、大地の頬にキスをした。それを機に揺さぶられる動きが急に速くなった。
「あぅ、あっ!ん、んんっはぁぅっ」
自分の下で翻弄されている大地を見て、シャマンはハァッと大きく息をついた。
「手紙の続き…今からオレの言うことを復唱しろ。『特に看守のシャマンとナブーの2人には、僕はたくさんのことを教えてもらいました』。さぁ、言え」
「〜っふっぅ、うんっ、あ…っ!」
大地は言いたくなかった。心の底から憎んでいるこいつらに対して、そんなことを冗談でも口にしたくなかった。
「言えっ!」
「あぁう!」
黙っている大地に、シャマンは腰を打ちつけて責める。それでも頑なに言おうとしない大地。するとナブーが大地の手を解放して言った。
「二輪挿ししてやろーか?」
そしてシャマンの方に回り込み、結合部をまじまじと見つめる。
ニリンザシとは何か。その意味が大地には分からない。
「んー…この時点でギッチギチだもんなァ…やっぱ無理かァ」
残念そうに呟くナブーに、シャマンは目を暗く光らせながら笑いかけた。
「いぃや…それぐらいのことをしないと、お仕置きの意味がない」
ナブーに意味ありげに目配せし、シャマンは大きく分厚い手にローションを渡した。
「ぐふっ」
「ふふふ…」
くぐもった笑いが大地の耳に聞こえる。ナブーが自分のペニスにローションを塗りたくっているのを見ても、何をしようとしているのか分からずにただぼんやりと眺めていた。
「ではでは大地くん、お邪魔しま〜す」
ナブーはニヤ〜っと笑って大地に頭を下げる。手にはぬらぬらと光る勃起したペニス。シャマンのものでいっぱいの大地のアナルに近づき、そこにぴとっと先端をくっつけた。
大地に戦慄が走った。ニリンザシ。それはそういう意味だったのか。
「!!イヤだっやめろ!!!」
身を捩って逃れようとしても、シャマンのペニスで楔を打たれている今の状態では、なすすべがない。
シャマン1人のペニスでもこれだけの痛みがあり、とてつもなく苦しいのに、ここにナブーのものを受け入れろというのか。無理だ、そんなことをしたら死んでしまうのではないか。
「イヤぁ〜っやだ、やだぁ!!」
狂ったように首を振って泣き叫ぶ大地に、シャマンは笑った。
「だったら大人しくオレの言うことを復唱しろ」
「っっっ!!」
シャマンの隣でナブーが笑っている。またしてもやられた、と大地は悔しさで涙があふれた。
「ったく、こうしないと言うこと聞かないんだもんなァ。ホント強情なガキだぜ」
大地の萎えたペニスを指ではじくナブー。その痛みに大地は目をつぶる。
「……っっ!」
「さあ、オレの後に続いて言え。『看守のシャマンとナブーに、たくさんのことを教えてもらいました』」
「〜〜〜〜っ…」
ピストンを再び開始したシャマンの隣には、ナブーがローションで光るペニスを片手にこっちを見ている。
もともと理性のない人間たちだ。言うことをきかせるために思いついた二輪挿しとやらを、興奮の果てに本当にやりかねない。
大地は言いたくなかったが、怖ろしくてたまらずシャマンに続いた。
「…っ、か、看守のシャマンと…ナブーに…っ、ふっぅ、たくさんのことを…おしえ、て、もらいましたっ…」
今までどんなに責め苛んでも屈しなかった大地の心が、今自分の手の中に陥落しようとしている。シャマンの瞳が悦びで輝いた。
大地は恥ずかしさと悔しさと、自分をサディスティックに見つめる2人の視線が嫌で、視線を部屋の窓へとそらしていた。
「こっちを見ろ」
ぐい、と顎を持って自分の方へ向かせるシャマン。無理やり視線を合わすと続けた。
「『何も知らない僕に、男同士でセックスする方法を、手とり足とり教えてくれました』」
「……!!」
あまりのことに大地は言葉を詰まらせる。シャマンはニヤリと邪悪に微笑みかけた。ナブーはその横でギャハハ、と声を上げ下品に笑っていた。
言い淀む大地を冷酷に見つめながら、シャマンは腰を打ちつけて、早く言え、と急かす。大地はたまらず従った。
「はっぁぅっ…っ、何も知らない、僕にっ…お、男どう…しで、せ…セックスする方ほ…うを、ぅ…ぅんっ!手と…り、足とり、教えてくれまし…たっ…!!」
「『精通もここで迎えることができましたし』」
「あっん、あっぅ、せいつ…うもっ、ここで迎えることが、は…!…で、できましたし、」
「『アナルで気持ちよくなることも覚えました』」
「〜っ、あ、アナルで、き…もちよくっ、ぅっん、なることも…覚えまし…た」
「『今ではアナルに何が入っているか、見なくても分かるようになりました』」
「はっ…!い、今では、ア…ナルに、何…がっ入っている…か、見なくてもっ…んん!分かるように…なりま、した、あんっ」
「『僕は、アナルをおちんぽでずぽずぽされるのが大好きです』」
「……っ」
言われるがままに繰り返していた大地だったが、これには一瞬ためらった。だが、そのまま続けた。
「ぅっんん、ぼ…くは、アナルをっぁぅっ、おちん…ぽでっ…!!んんっ、ずぽずぽされるのが…だっ、ああ!大好きですっ…ぅっんんっ!!」
シャマンのペニスが大地の中でさらに硬くなる。大地の口から言わせることで、シャマンは征服欲が満たされ、なんともいえぬ陶酔に包まれた。
「っ!」
そのまま動くと果ててしまいそうだったので、いったん停止した。
ハァハァと大地の上で肩を揺らすシャマンの後ろで、ナブーが途中から手紙の添削に参加してきた。
「大地、これも書いとけ。『アナルファックが大好きなので、少年院を出たら色んな男の人とヤリまくりたいです。もう僕は、おちんぽなしでは生きていけなくなりました』ってな!」
ナブーは巨体を揺すって笑った。
「ぅぅっ…ふっ…くっ…!」
あまりの屈辱に目をつぶって涙を流す大地に、シャマンは再び瞳を怪しく光らせながら続けた。
「『色んな事を教えてくれるシャマンとナブーには、とても感謝しています』」
「〜〜〜っ」
『感謝』など、しているはずがなかった。この2人に対して大地が抱いている感情は、恐怖、畏れ、憎しみ。それだけだ。
なかなか言えない大地に、シャマンは腰の動きを再開させ、続きを促す。
「『シャマンとナブーに、とても感謝しています』…、ほらっ!」
「はう、あんっ!あっ…!」
揺れながら大地は、首を横に振って拒んだ。するとナブーがペニスを出し入れするシャマンに近づいて言った。
「大地、オレはいつでも二輪挿しの準備は万端だぜ?」
「っ!!い、イヤだ〜!!」
ナブーの上向いた赤黒いペニスを見て、大地は叫んだ。シャマンはすかさず言う。
「なら言え!『シャマンとナブーに、とても感謝しています』っ!」
シャマンの腰は速度を増し、大地の中を蹂躙する。大地は、ナブーがこのまま自分の中へ侵入することを怖れ、言いなりになるしかなかった。
「―――…っ…シャマンとっ、ナ、ナブーに…とてもっ、かん、しゃ…しています…っ―…あっ、あんんっ!」
シャマンは舌なめずりをした。ナブーも口元からヨダレを垂らしてご満悦な表情を浮かべている。
「『できることなら、この少年院に、ずっといたいです』」
「っ…できることならっ…はぁん、くっん…この少年、いんに、ずっと、っっ!いたいです…っ――っ」
シャマンのペニスは驚くほど大きくなる。大地は反射的に苦しさで締めつけてしまい、知らず知らずシャマンを射精へといざなっていた。
「ふぁっ…んん、イタ…あっ、あっ」
なすすべなく自分に揺さぶられている大地を、シャマンはじっと見つめる。そして整った形の良い口唇を、おもむろに開いた。
「『僕はシャマンとナブーが大好きです』」
「うっ、あぅっ、『僕は…っ』」
大地はそこまで言って止まった。『感謝している』なんてこと以上に口にしたくない言葉。冗談じゃない。大嫌いだ。
「さあ、オレの目を見て言うんだ。『シャマンとナブーが大好きです』!」
シャマンは言わせたい一心で、ズンズンと腰を打ちつけ大地を追いつめる。大地はたまらず叫んだ。
「『僕は…シャマン…あううっ!!が、大好きです…っ!』」
苦しさからナブーの名前を抜いてしまった大地の言葉に、シャマンは極度に昂ぶり絶頂を迎えた。
「…くっ!!」
「ん!」
ペニスを抜いて、シャマンは大地の腹部に射精した。一部は着ているシャツにつき、じんわりと生地に滲んでいく。
大地は顔をくしゃくしゃに歪ませ、震える手を口元へ持っていき、嗚咽をこらえていた。脚はテーブルの上へだらんと力なく投げ出していた。
からかわれ続け、また意図しない言葉を言わされ、そして犯された。大地のショックは極めて大きかった。
―まだ。まだだ。こんなもんじゃないぞ。
お前が泣きごとを言うまで、お前がオレの手に落ちるまで、とことん責め苛んでやる。
シャマンは肩を揺らせながら大地を見つめていた。その目は鈍く光っていた。
