スリーパーズ42
ラビとともに地下室へ連れてこられたのは、最初にレイプされた日以来、およそ5ヶ月ぶりだった。
大地はあの日が遠い昔のことのような、それでいて昨日のことのような妙な感覚を覚えた。
シャマンはそんな大地に低い声で言った。
「明日いなくなるお前たちのために、餞別を用意してやった」
シャマンの合図を受けて、校医のケヴィンが白衣のポケットから牛乳瓶ほどのボトルを取り出した。
「最後の夜にふさわしい、お前らがヒィヒィ泣いて悦ぶもんだぞ?」
ラビの肩をかき抱いて、ナブーが顔を覗き込む。野卑た笑みがあまりにも醜悪で、ラビは目をそらした。
そのままラビは大地に視線を移した。
部屋でシャマンに何を言われたのか分からないが、顔を涙で濡らしてすでに憔悴しきっている。
自分と大地を、もう二度とこの男たちの餌食にならない、餌食にさせないと固く誓ったのに、またこうして結局はレイプされてしまう。
己の無力さが情けなくて悔しかったが、これを我慢すれば明日には解放されるのだ。ラビはそれを自分に言い聞かせ、ここを耐えてやり過ごそうと思った。
一方大地は、くぐもったいやらしい笑い声を上げる男たちに囲まれて、ガクガクと全身を震わせていた。
ここでまたレイプされる。先程シャマンに言われたこと。これが最後じゃない。
大地はショックで頭が混乱し、再び猛烈なめまいに襲われた。シャマンが支えていなければ立っていられないくらいひどいものだ。
「どうした大地。待ち切れないのか?」
大地が自分に寄りかかるのは、さっきの話で気分が悪くなっているためと気づいている。それなのにシャマンはわざと意地悪な言葉を吐いて笑った。大地は否定する気にもならなかった。
「ひひ…じゃあシャマン、これはまず大地に使ってみないか?」
ケヴィンはそう言って、持っていたボトルを掲げた。
「…そうだな。ラビはそこで見物してろ」
力なく寄りかかる大地を引っ張り、シャマンは壁際へ向かう。ナブーとケヴィンはラビを連れて、その近くの埃をかぶったソファへと移動した。
ラビは2人にそこへ無理矢理座らされた。
「…何をするんだ…?」
ラビは青ざめた顔でシャマンに尋ねた。その声は親友がひどい恥辱に遭わされることを予感して震えていた。
「まぁ見てろって」
「そうそう、黙ってなさい」
ナブーとケヴィンは興奮した顔でラビをいさめる。ラビの額には汗がじっとりと浮かび始めていた。
シャマンは大地の右手に手錠をかけた。そして手錠のもう一方の輪を、天井へと伸びる壁の配管にかける。左手も同様に行い、大地はあっという間に2つの手錠で配管に繋ぎとめられる格好になった。
壁にもたれかかる大地の肩をシャマンは上から押して、その場に座らせた。
ぐったりしている大地のシャツを、シャマンは強引に左右に開く。その拍子にボタンが飛び散った。アンダーシャツを乱暴にたくし上げ、薄い胸をさらす。
「ぃゃ…」
大地はようやく小さな拒絶を示した。だがそれは弱々しく、あっけなく宙に消えた。
白く薄い胸に、ピンクの突起が花のように儚げに咲いている。
「ふっ」
「ぐへへ…」
「ひひぃっ…」
大地の反応と裸体の艶っぽさに、シャマンをはじめ男たちの嗜虐的な笑い声が響いた。
こいつらは大地の身体だけではなく、無垢な精神、その幼さまでも食い物にしている。頭をうなだれて泣いている大地が哀れで、ラビも涙を浮かべた。
シャマンは大地のズボンとトランクスを一気にはがし、その下半身を露出させた。
ぼんやりとした地下室の明かりに浮かぶ大地の脚は白く、その穢れのなさが痛々しい。シャマンはみんなによく見えるように脚を開いた。
「〜〜〜っ!!」
大地が恥ずかしさでのけぞる。ナブーとケヴィンは我慢できなくなり、ソファから立ち上がって大地の元へと向かった。
3人の男たちが大地に群がる。ソファに1人残されたラビからは、大地の姿がたちまち見えなくなった。
「御開帳〜!いい眺めだねェ」
「っ…たまらないよ…」
見物人2人がそれぞれ、大地の肢体に陶酔したような声を上げる。ラビはたまらなくなって駆け寄った。
「やめろ!」
男たちを押しのけて大地を救い出そうとするが、ラビは無残にナブーに捕らわれ、手錠をかけられてしまった。そのまま床に抑え込まれる。
「邪魔すんなラビ。今日は最後の日で特別なんだ。大人しくしてろっ」
そう言ってナブーは大地に向き直る。ケヴィンがシャマンにボトルを手渡した。
「早く…これでどうなるのか、早く見せてくれ」
興奮気味のケヴィンは、露わになった大地のペニスとアナルを凝視したままだ。
シャマンはおもむろにボトルのキャップを開け、薄いピンクに色づく液体を手に取った。粘度はローションの2倍ほどあった。
目をつぶってうなだれる大地の顔を見ながら、それを小さな蕾に塗布した。
「んぅっ」
大地は妙な感触に身を捩る。いつものローションが触れた時より、少しだけ熱い気がした。
軽くアナルの入り口をくすぐるようにして、シャマンのローションまみれの指が今度はペニスへと伸びる。そこにも丹念にピンクの液体を塗りたくった。
「っあっ…!」
特に先端部には執拗に指が這わされる。大地のペニスはだんだんと息づいてきた。
ピンクのローションで光る、赤みがかった幼い亀頭。なんとも卑猥だった。
シャマンは再びアナルへの悪戯を開始した。さらにローションを中指にたっぷりつけて、ゆっくり挿入する。
「あっあう!」
大地は思わず腰を浮かせて逃げようとするが、それが叶うはずもない。
熱を感じる液体とともに中を刺激される。もう中指は完全に根元まで入っており、奥の敏感な部分をくすぐられた。
「いや、いや…やだァ」
大地の泣き声混じりの力ない拒絶を受けて、シャマンは指をアナルから引き抜いた。
ラビはナブーに抑えつけられたまま、大地の声を聞いてギュッと目をつぶる。
できることなら、耳も塞いでしまいたかった。大地が嬲り者にされるところなど、見たくないし聞きたくなかった。
「さぁ、これからが面白くなるところだな」
「ヒヒヒ…」
ナブーとケヴィンは、今から始まる何かを想像して目配せしている。シャマンは何も言わず、大地を見つめていた。
「っ…?」
大地は、今ローションを塗られた部分がさらに熱くなってきたのを感じた。
それだけではない。ペニスやアナルに、なんとも言えないむずがゆさが生じている。
「んひっ…」
芽吹き始めたペニスは、誰に触れられたわけでもないのにひとりでに勃起した。特に入念にローションを塗り込められた先端は、みるみるうちに膨張して、ぷっくりとした頭をのぞかせている。
「ぅわ、すげ…!」
ナブーが思わず声を漏らす。男どもの興奮を物語る、ハァハァという荒い吐息が絶え間なく響いていた。
「ぁっ、はぁっ」
アナルのむずがゆさが激しくなってきた。奥の敏感な部分を通して、疼きがペニスへと通じている。
すべての感覚が鋭利に研ぎ澄まされているのに、それをどうすることもできない。大地は何がなんだか分からなくなっていた。
自分の身体の異変に困惑する大地に、シャマンが囁いた。
「このローションは粘膜に強く作用する。それに催淫効果もある」
ペニスとアナルが、ジン、ジン、と響くたびに熱を帯びていく。亀頭からは透明な液が伝い落ち、アナルの入り口は知らず知らずヒクついていた。
「うっぅん、くひ…ぃっ」
大地はもうたまらかなった。
シャマンの説明はよく分からなかったが、とにかくローションを塗られた部分がかゆかった。この手が自由なら、今すぐそこに触れたかった。人目もはばからずペニスをこすって、アナルにも
指を挿入し熱を収めたかった。
それほどまでにこのローションは大地を追いつめていた。
手錠が配管にぶつかって、カチャカチャとうるさく鳴っている。両腕の拘束に対する大地のジレンマがその音に表れていた。
「ああっん、あぁうっ!」
シャマンはクッと笑った。
大地の脚は自身に起こる快楽の激動に耐えかね、激しくのたうつ。だがそれもシャマンとナブーに強く押し拡げられているため思ったようにいかず、大地は苦しそうな表情を浮かべた。
「辛いか大地」
「ふぅ、くんっ…んん!」
大地は熱をはらんだ切なそうな瞳で、問いかけるシャマンの目を見た。
シャマンはじっと見つめ返す。大地のうるんだ目に自分が映る。シャマンの鼓動が急激に速まった。
自身の勃起したペニスを、シャマンはズボンから取りだした。
ゆっくりと大地の脚の間に割り入る。怒張したペニスは大地のアナルへと真っ直ぐに伸びていた。
「こうなったお前を、楽にさせてやれる方法があるんだがな」
シャマンのしようとしていることは分かっている。大地は首を振って嫌がった。
「いや…いや〜…」
だが、アナルの中はさっきよりも随分と熱をはらんで刺激を求めている。入り口がヒクヒクと卑猥に蠢いていた。
「…素直に言え。どうしてほしい」
ローションまみれの大地のペニスに、己のペニスをこすりつける。大地はそれだけで全身を震わせた。
「ああ!」
シャマンは大地の身体を少し持ち上げ、向かい合わせで自分の上に座らせる。そして自身のペニスを大地のお尻の下へもぐりこませた。
そのまま双丘の谷間にペニスを挟む格好のまま、やんわり腰を前後させた。
「ほら…どうしてほしいんだ」
「いっ…あはぁっ」
亀頭を割れ目に添わされて、アナルの入り口を刺激される。その上ゆっくりと揺らされた。その動きがかえってもどかしく、大地は熱を持て余して背中をしならせた。
「……!」
そんなことをしているシャマンのペニスにも、大地についたローションがまみれていく。当然、シャマンも粘膜を通してローションの効果が作用し始める。シャマンのペニスはさらに大きくなった。
「っ…早く言え。お前は何を望んでる?何を欲しがってるんだ」
シャマンはピタリと、大地のアナルに自身のペニスをあてがった。
「〜〜〜っ…」
大地はもう限界だった。ペニスもアナルも、内部から突き上げてくる強烈な快感に、もう耐えられそうになかった。
自分は何を欲しがっているのか。それは…。
「っ…ふぅっ…入れて…」
大地は頬を赤く染め、シャマンを見上げた。その瞳は涙で濡れていた。
「…何をだ」
「っ…」
シャマンはまたゆらゆらと腰を揺らせる。大地はたまらなくなって言った。
「〜〜っ、シャマンのちんちん、入れて…!」
ぐび、とナブーが生唾を飲む音がした。隣でケヴィンはもぞもぞと、ズボンの上から勃起したペニスを揉んでいる。
ラビは涙が止まらなかった。
あの大地が妙な媚薬のせいでこんなことを言わされている。
ラビはもう、友のために何も聞くまい、感じまいと、心を閉ざした。
