殿と大地之助 7
 次の日の朝、大地之助は身体が痛くて起き上がれなかった。

 そんな大地之助を思いやり、朝食の準備をしてくれる殿。

 大地之助は本当に幸せな気分だった。



「とうとう結ばれたぞ、殿と大地之助殿っ!」

 寝ずの番をしていた中条は、嬉しそうに江田と田崎に報告した。

「本当かっ?」

 田崎が驚いて声を上げる。

「ああ、聞こえてくる大地之助殿の声の悩ましかったこと!!」

 興奮気味に話す中条に、江田は心底うらやましそうな声を出す。

「くぅぅ〜、聞きたかったなぁ、それ!!」

「ああ!」

 田崎も顔を真っ赤にして同調する。中条はひひ、と笑った。

「お前たちが寝ずの番の時は聞くことができるさ。本音を言えば覗きたかったんだが、五代に止められてな」

 昨晩中条と一緒に番をしていた五代は、呆れながら言った。

「…中条殿がそう言い出した時にはどうしようかと思いましたよ…」

「そんなこと言って五代、お前も覗きたかったんじゃないのか〜?」

 江田に小突かれて、五代は顔を真っ赤にして反論した。

「そっ…そんなこと私は思ってないですよっ!!お2人に悪いじゃないですかっっ!!」

 3人は五代の顔を見て、ニヤニヤと笑っている。

 田崎は興味津々な様子で中条に聞いた。

「で、お2人の初めての契りはどんな感じだった?」

 中条はムフフ…と満足そうに笑う。

「ああ、どうも殿が大地之助殿と一緒に寝ていて欲情されてしまったらしいのだ。それに気づいた大地之助殿が、なんと自ら『契りたい』と言い、それで始まったんだ」

「なんと!!」

 江田が驚きの声を上げる。中条は構わず続けた。

「それから、殿がお優しく大地之助殿を誘導して…結ばれた時には大地之助殿が『痛い』と言っておったのだが、それでも平気だから、大丈夫だからと

堪えて殿を受け入れて…私はそれを聞いてものすごく感激したぞ」

「〜…そうであったのか…」

 その話を聞いて、田崎と江田も同様に感激している。

 五代はうなずきながら言った。

「お2人はホントに愛し合っておられるようですね…」

「ああ、結ばれて私は本当に嬉しい。これからもお2人を温かく見守ろう」

「はい!」

 殿と大地之助が身も心も結ばれたことを喜ぶ中条の言葉に、3人が皆同調して心から祝福していると、殿がやってきた。

「おい、お前達」

「はっ!!」

 家臣たちは話から一変、殿に深く頭を下げて仕事の体勢に切り替わる。

「今日は大地之助はその…体調が芳しくないので、お前たちに手助けを頼む。体調が悪いと言っても、病気などではないから心配しないでくれな」

「はい!」

 殿は照れ臭そうに頬をかく。

 中条達は『全て分かっております』という様子で返事をした。



 その後、より一層深く互いを必要とし、どこへ行くにも一緒の殿と大地之助。

 その仲睦まじい様子は、城の者達がうらやむほどだった。

 結ばれて日が経たないうちは、大地之助の身体のことを考え無理に求めようとしなかった殿だったが、大地之助が回復した頃には、毎晩契るようになった。

 江田や田崎も、寝ずの番をしている時に2人の甘い喘ぎ声を聞けるようになり、ウハウハと嬉しそうだ。

 そんなある晩、その番をしていた中条が隣の五代にこんなことを言い出した。

「…覗いてみよう」

 五代は溜息をつく。

「…駄目ですったら。殿がお気づきになったら、大目玉を食らいますよ」

「大丈夫だって。お2人とも夢中になられてて気づかないよ。五代、これは上司命令だ」

「もー…」

 五代はこんな時に上司という立場を持ち出されて、呆れつつも強く逆らえなかった。

 本音を言えば、普段は無邪気で可愛らしい大地之助がどんな顔で殿に抱かれているのか、という好奇心が強くあったのだ。

 中条がそぅっ…と障子を開けてみる。

 細い隙間から覗き込んだのは、大地之助が殿の脚の間にうずくまって、尺八している姿だった。

「……!!!!!」

 いきなり大地之助の大胆な行為が視界に飛び込んできて、中条と五代は息を飲んだ。

 だが、もう目が離せない。

「おぉ…大地之助…」

 殿は、小さな口で懸命に奉仕する大地之助の頬を優しく撫で、息を荒くしている。

「んは…殿の大きくって全部入らないよ…」

 大地之助はあどけない口元からよだれを垂らして、ペロペロと魔羅を舐めている。

 実は、尺八するのが今夜初めてなのだ。殿が自分にしてくれているのを真似て同じようにと試みるのだが、どうも上手くいかない。

 だが、大事そうに殿の大きくなった魔羅を両手で支え、先端を刺激する大地之助の姿は殿には充分官能的だった。

「あっ…そう、そこ…ぅっ…大地之助っ…」

 腰をビクビクと痙攣させながら、殿は大地之助の愛撫を堪能する。

 ジュポ、グジュ…大地之助の唾液と殿の魔羅から出る愛液の音が寝室にいやらしく響き、中条と五代もしっかり勃起してしまっていた。

 大地之助はゆっくりと、いきり勃った殿の男根の裏筋に舌を這わす。

「あ…はぁ…」

 大地之助も興奮し、おチンチンは立派に大きくなっていた。

 しばらくそのたどたどしい舌の動きに身を任せていた殿は、大地之助の頬を両手で上向かせ、微笑んだ。

 舌を出したまま「?」と不思議そうな表情を浮かべる大地之助に、殿は言う。

「ありがとう、大地之助。お返しするよ」

 そして座っている自分の胸に大地之助の背中を抱き寄せ、向こう向きに座らせた。

 大地之助は肌襦袢は着ているものの、殿の手によって着崩れを起こし、薄い肩や胸があらわになっている。

 背中越しに殿のぬくもりを感じて、それだけで大地之助は息を喘がせた。

「ぁ…殿…」

 殿は大地之助の小さな身体を自分の身に預けたまま、脚を大胆に開かせた。

「っっ!!!」

 それは、覗いている中条と五代に知らず知らず見せつける形になって、2人は身体を硬直させた。

 初めて見る大地之助の身体は幼いながらも本当に色っぽく、火照った肌がこの上なくなまめかしい。

 グビ…と唾を飲み込む中条。

 五代も目を見開いてその姿に釘付けになった。

「やだ、恥ずかしい…」

 覗かれていることに全く気づいていない大地之助だったが、開脚させられて恥ずかしいことに変わりはなく、殿の腕の中で赤くなっている。

 殿は、脚の間で息づいている大地之助のおチンチンにゆっくりと手を伸ばした。

「っは…っっ!!」

 ビクンッ!と身体を反応させる大地之助。

 殿は胸元に当たる大地之助の柔らかな髪の感触を心地良く思いながら、大地之助自身を追いつめていった。

 次第に透明な液体が先端からあふれ出し、その全体を怪しく濡らせていく。

「くっ、ふっ…ぅん…あっ…うぅん!」

 すすり泣く大地之助を見て、中条はたまらず自身をしごき出した。

 五代は「あ〜あ…」と思いつつ、自分も大きく膨らんだ自分自身に手を伸ばした。

「大地之助…ここも気持ちいいって泣いてるぞ?」

 殿の声が耳元で低く囁き、大地之助は頬を赤く染めて声を高くした。

「あ…んくっ…あはぁっ」

 大地之助のお尻に当たる殿の魔羅もカチカチに硬くなっているのが分かる。

 大地之助がだんだんと愉悦の高みに昇っていくのを感じながら、殿は唾液で濡らした人差し指を前から伸ばし、菊門に挿入した。

「んあぅっ!!」

 前と後ろを同時に責められ、大地之助はあごをのけぞらせる。

 思わず脚を閉じようとしたが、殿の両腕で押さえられていてできなかった。

 おチンチンはちゅくちゅくと音を立ててこすられ、菊門は指の出し入れによって赤く色づいている。

 中条も五代も、自慰の手を止められない。

「っはー…あぁ…」

 下半身が熱を持ち、大地之助は絶頂を予感する。

 ビリビリとしびれる頭で、以前から絶頂の時はこう言うように、と殿に言われた言葉を思い出し、口にした。

「との…僕もう、イ…キそう…」

 殿はそれを聞いて嬉しそうに囁く。

「そうか…では、イキなさい」

 そう言っておチンチンをしごく手の動きを急速に早める殿。

 菊門への愛撫も、今では激しいものになっている。

「あっ!あぁん、イ…イクぅっ!!」

 大地之助は可愛い声を上げ、促されるまま高みに達した。

 その時、ピュクッ…!とおチンチンの先端から白い液体が放たれた。

「だ…大地之助…」

 殿が背後で驚きの声を発した。

 大地之助は、いつもの絶頂と比べて強烈な感覚と開放感を感じたが、それが一体何か分からず潤んだ瞳で殿を見上げた。

「…どうしたの、殿…?」

 肩で息をして、大地之助は朦朧とした意識の中、殿の嬉しそうな顔を見る。

「大地之助、出たんだよ、白いのが!ほら!!」

 布団に放たれた大地之助の精液を興奮気味に手にとって、殿は後ろからそれを見せた。

「あ、ほんとだ…」

 大地之助は紅潮した顔でそれを認める。

「あは〜♪精通だぞ、大地之助!!」

 心底喜んでいる殿は、大地之助のうなじに顔を埋めた。

「めでたいなぁ!明日はお赤飯だっ!…いや、男の子だからとろろご飯かな?」

 はしゃいで冗談を言う殿に、大地之助は照れ笑いする。

「もう、やだなぁ殿」

 振り返って笑う大地之助に、殿は口づけた。

「んふ…」

 障子の向こうでは、大地之助と共に白濁を放った中条と五代が、殿と同じく感動していた。

「いや〜、大地之助殿の精通がこの目で見られるとは…幸せだ」

「しっ!気づかれますよ!」

 口に人差し指を当て、五代は中条を制す。

 そんな2人が見ているとはつゆ知らず、殿は先程の精液を大地之助の桃色の菊門に丹念に塗りこめた。

 それが挿入の合図だと分かった大地之助は、ゆっくりと殿の方に向きなおって、殿の反り返った魔羅に腰を沈めた。

「んはっ…あぁん…」

 殿自身を迎え入れる時、子供の大地之助はやはり強い痛みを伴う。

 それでも一つになりたいと、眉をしかめながら魔羅を収める大地之助に殿は深い愛情を感じて、夢のような陶酔感を味わった。

「大地之助…」

 殿はゆっくりと大地之助を揺らす。

 大地之助も腰をくねらせてそれを受け入れた。

「はあん、あんっ…あっあっ、ぁぅっ」

 すべすべで真っ白な尻の間から、殿の怒張した赤黒い肉棒が見え隠れする。

 中条と五代は罪悪感などどこへやら、鼻息荒くそれを見守っていた。

「っ…はっ…」

「あっん!殿のすごいっ…!」

 大地之助の、あたたかく柔らかな、それでいて強い締め付けに、殿の男根はより一層太さを増して大地之助を攻め立てる。

「おっ…大地之助がっ…あんな可愛らしくイッたところを見るとっ、うっ…どうしてもなっ…」

 2人は揺れながら互いを見つめあい、吸い寄せられるように口づけあった。

 舌と舌とがレロレロと絡みあって、理性を粉々にする。

「ふっあっ!またっ…イク、イッちゃうぅ!!」

 頭を狂ったように振って、大地之助は再び達した。

 ぶるぶると震えて、おチンチンから精液を放つ大地之助の後孔の締め付けは極限となり、殿もたまらず声を上げた。

「私も…もう、イクッ!!」

 ガクンガクン、と激しく痙攣しながら、殿は大地之助の菊門の中で一滴残らず精を放出した。



「…はぁ…殿ォ…」

 鼻にかかった甘い声で殿に抱きつく大地之助。

 ふわりと石鹸の香りがして、殿は目を細めて笑った。

 殿は、大地之助から漂うこの香りが大好きだった。

 こうやって深く結ばれあった時は特に、上気した肌から匂い立ち、大地之助をより近くに感じられるようで愛おしかった。

 大地之助は殿の首の後ろに手を回した状態で腰を上げ、殿の男根を蕾から引き抜いた。

 その拍子に精液がトロリとしたたり、大地之助の太股をつたう。

「大地之助、今日は初めてづくしだったな」

 殿は大地之助を抱きしめながら横になり、尺八と射精を経験した少年の頬に手を添えた。

 その手に自身の手を添えて、大地之助は微笑む。

「うん…気持ちよかった…」

 くすくすと2人は笑って、情事の後特有のけだるさに身を任せながら目を閉じた。

 中条は音を立てないように障子をそっと閉め、満足げに言う。

「ああ、殿がうらやましい…」

「そうですね…」

 大地之助のまばゆいほどの裸、そして乱れた姿を見て、五代は素直に同調した。